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Forbear / 8songs (CD)
¥2,200
東京のインディ・シューゲイザーバンドの2024年2ndアルバム。LIKE A FOOL RECORDSよりリリース。気怠さと儚さが入り混じる、ドリーミーかつ冷りとする美しさを内包したサウンド。ジャンルを敢えてカテゴライズするならシューゲイザーやインディロックと呼ばれる音楽なのかもしれませんが、ドラムのパワフルかつダイナミズムを感じるスネアとタム、それに乗っかるリフがハードコアとそこを通過して派生していった音楽としてのぶ厚さのようなもの感じさせます。前作と比べよりシンプルになり立体的なリズムが増えた印象でダイナミックなグルーヴが気持ち良いです。BasementはもとよりHUMや一時期のCitizenのようなヘヴィエモ、エモグランジのノリがあるなと。前作に引き続きOtusやSuper Structure等も手掛けるDevu氏のレコーディングということでハードコアにある生々しさが良い形で彼らのサウンドに昇華されています。アンダーグラウンドミュージックのルーツを感じさせつつ現行の音楽としてハイレベルにまとまった、全方向に開かれた作品です。
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Forbear / 4songs (CD)
¥1,650
東京のインディ・シューゲイザーバンドの2022年の4曲+カバー曲を収録したEP。LIKE A FOOL RECORDSよりリリース。 轟音とその間から聴こえてくるメランコリックなメロディ、儚げな男女混声ボーカルが作り出す耽美で悲しい世界観。インディミュージックとしてまとめあげる素晴らしいセンスがありつつ、アグレッシブなドラムと這うような歪んだベースの存在感はグランジやハードコア通過後のミュージックマナーをビシビシ感じさせてくれて、唯のインディミュージックとは違う質感を持つ大きな要因だなと思います。BasementやNothingなどのノイジーなサッドさと通じ合っているのではないでしょうか。CDのみ収録のカバー曲はLIFETIMEのRODEO CROWN。彼らの持ち味が全面に出たカバーになっています。
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Shonen Bat & 石の犬 / Post Marked Stamps #6 (CD)
¥1,100
再始動したSoul Ameria RecordsよりリリースされるスプリットシリーズPost Marked Stampsの第6弾。今回は福岡&スペイン・マラガの2バンドによるスプリット。 Shonen Batは軽快かつ難解なドラムに、鮮やかに、時に淡々と奏でられるギターとその狭間から放出されるエモーショナルが堪らないサウンド。初期のThe Van PeltやKolyaなどに通じる無機質なサッドさはそのままありつつ、マスロック的な要素が増えたことによりかなり良質なミッドウェストエモとしても聴けるよう進化しています。現行のポップパンク影響下のリヴァイバルとは違う質感でBraidとAmerican Footballの狭間をベタに思い浮かべてしまいました。円熟したといって良いソングライティングと演奏技術に裏打ちされていて、ひたすらに聴いていて心地良く渋い3曲を届けてくれています。 石の犬は邦ロックとポストハードコアが結びついたオルタナティブサウンドな2曲。エモや激情を飲み込みながらも彼らの音楽性の核に一貫してある日本的なロックの要素がそのままに出ていてストレートかつキャッチー、その中に仄暗く淡いサッドな質感が内包されています。"風船"はジリジリと燻っていくような気怠い曲展開と不穏さが漂うアルペジオは個人的にDuster節を感じました。敢えて燃やさないところに彼らのソングライティングの本質みたいなものが見える気がします。
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WE ARE ON FIRE & CUTHBARTS / Post marked stamps#2 (CD)
¥1,100
2022年の暮れに北海道のSoul Ameria Recordsより投下されるドイツのWE ARE ON FIREと札幌のCUTHBARTSがそれぞれ異なるエモーショナルの形を提示したスプリット、Post Marked Stamps #2。 2010年後半に一本のデモテープとShalashaskaとのスプリットで衝撃を一部エモリスナーに与え、その後音沙汰なかったドイツ・ブレーメンのカルトエモバンドがまさかの2022年にリリースという事件。ギターとドラムという最小限の構成からつくられる枯れ切ったギター、サッドなのにどこか牧歌的なメロディと蒼い叫びは誇張や脚色なしの生々しい等身大のエモーショナル。Human HandsやThe Blue Periodなどの10年代UKエモや同じドイツのMiraなどと同じ毛色の90'sエモをヨーロッパ的なニュアンスで再構築したサウンドだと思います。不純物一切なし、胸に突き刺さる3曲です。 札幌のCUTHBARTSは内へ内へと向かった感情が溢れたような切なくてあまりに純粋なエモーショナル。繊細でどこか不安定な印象を受けるサウンドはBroken Hearts Are Blueが1番に思い浮かんできました。また、過去作を含めて聴くと90'sのDeepElmのバンドにあったのギターロック的なニュアンスが根底のところにしっかり根付いているのかなと思います。生きていくうえでの生活と繋がっていることを意識させられる、どこまでも地に足がついていて汗と涙と哀愁が沁み込んだ歌詞。日本語詩とそれに乗るやはり日本的と言って良いメロディはどこか私たちに親しみ深い郷愁を感じさせてくれて、友部正人などのジャパニーズフォークのニュアンスがあるのではと(勝手に)解釈しています。悲しみと暖かさは共存し得る、何度でも噛みしめて聴きたい2曲。 両バンドひっそりとでも確実に続いていって欲しい素敵な音楽です。
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Moethein / E.P (CD)
¥1,300
福岡を拠点に活動するシンガーソングライターMoetheinによる2023年リリースEP。ティーンエイジャーの頃聴いて受けた衝撃と感情がフラッシュバックするようなポップであり物憂げ、一度聴いたら頭から離れない極上のメロディ。アコースティックの優しげな響きと蒼く澄んだような声が優しく寄り添ってくれる。90'sから00's前半のオーバーグラウンド化していく過程での広義のパンクが持っていた、より多くの人に届いて離さない魅力が彼の楽曲にはあるように思えます。WEEZER、BLINK 182、The Get Up KidsからDrive-Thru Recordsのバンドまでがふと脳裏によぎる、キャッチーで胸が締めつけられる甘酸っぱいアコースティックサウンド。
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不夜城 / Placenta (CD)
¥1,100
東京の激情ハードコアの新星、不夜城による5曲入り1st EP。日本の激情らしい、叙情とも言い換えることができるオールドスクールな侘び寂びとスケールの大きさを感じさせるドラマチックな展開・フレーズが飛び交う内容。Deathwishリリースのバンドを彷彿とさせるカチッとしたクオリティがサウンドプロダクションと楽曲の端々にあり、情報が詰まった質感はポストブラックメタルや近年のシューゲイザーの影響下としても作り上げられたサウンドだと思います。楽曲、作品を通してめちゃくちゃ聴きやすく、トータルでとてもキャッチーな仕上がりになっているのもその辺りの要素が関係しているのかなと。また、個人的に特にギターのフレーズに感じたのですが、リフやリードフレーズにロックの要素があり、激情以外の要素がスケール感を大きくしていると感じました。モダンという言葉がしっくりくるスタイリッシュなサウンドはアンダーグラウンドだけじゃない様々なシーンでの活躍が想像させられます。
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Fiddlehead / Death Is Nothing To Us (CD)
¥2,200
※こちらは海外盤になります。 Have Heart、Verse、Basement等の2000年代から2010年半ばまで活躍したハードコアバンド、エモバンドを中心としたメンバーにより結成された、ポストハードコア・インディーロックバンドの2023年リリースの3rdアルバム。Run For Cover Recordsより。百戦錬磨の5人のグルーヴから生み出される、“ハードコア通過後“としか形容できない独特のうねり。エネルギッシュでありつつ彼らの過ごしてきた時間も確かに感じさせる哀愁。革新的目新しさに溢れているサウンドではないはずなのに何故こんなに瑞々しく、またエモーショナルに響くのでしょうか。前作からの完全な延長線上でありつつ、より渋い方向へ向かった気がします。このバンドの心臓と言えるドラムShawnの入魂のスネアとフロアタムさばきに燃え上がり、深みのサッドギターに胸を締め付けられ、ボーカルPatの無骨ながらもメロディアスに歌い上げるパートに涙腺を刺激されます。Dischordのバンドを想起させるようなサウンドではありますが、Fiddleheadは根底にあるセンスがモダンなバンドで、現行のインディロックとも親和性が高いです。なのでRun For Coverからリリースしてきているのも凄く納得できます。もちろんハードコアへのリスペクトと愛は今なお深く、Angel Du$t、Trapped Under IceボーカルのJusticeを迎えた"True Hardcore(Ⅱ)"で、自分達のハードコアの意味と思いを歌っています。現代におけるエモとポストハードコアの形を追求する洗練された作品。
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WELLSAID / LURKING (CD)
¥2,000
来日経験もある香港のエモ・ポストハードコアバンドが2022年にメンバーのレーベルであるAirehead Recordよりリリースした2ndアルバム。ひんやりとした質感とサッドなメロディを感情たっぷりにバーストさせる。サウンドとしてはトウィンクルに振りすぎないリフやアルペジオで構成されており、ポストロック、激情ハードコアとオルタナティブロックの影響もかなり受けていそうな塩梅。青さ全面推しでは決してなく、エモリヴァイバル文脈として捉えるとかなり渋いです。日本のオルタナティブロックとの親和性も高そうです。アルバムが進むごとにミッドウェストエモからゆっくりと音楽性のグラデーションが変化していき、中盤以降はDeSoto Recordsのバンドを彷彿とさせるポストハードコア・オルタナティブサウンドに。"Lights Out"実験性と緊張感、エモーショナルが詰め込まれた名曲です。Chinese FootballからThe Dismemberment Planまで共鳴する作品となっていると思います。
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Academy Fight Song / Early Days (CD)
¥1,500
RUMTAG、タイガンなど様々なバンドでで活動しているeiji morodomiとStrange Over The Sun、Centerhitsなどで活動していたgivegiveとkabacにより2021年に福岡にて結成。2022-2023でリリースされ完売していた3本のカセットテープをまとめ新曲を追加したCDがKültti kasettiよりリリース。巨大な音像のギター、緊張感とうねりを生み出すベース、動物的と言って良いドラムが全てを躍動させ、刺すようなボーカルと沁み入るボーカルが対になり作り出す圧倒的な存在感。ハードコアやポストハードコアを通過した上でのギターロック、オルタナティブロック。D.Cの実験性からサンディエゴの狂った質感、いくらでも難解になるところをHusker Duの歌ごころが熱さと哀愁の境地へ連れて行ってくれます。また、エッジの聴いたリフと曲として普遍的な良さを持つ部分が両立しているのはJAWBOX、Burning AirlineでありJ. Robbinsの遺伝子も感じるところです。合間に挟まれるゆったりとした「KANATA」「NANSEI」は暖かな印象でポップスとして通用するようなキャッチーで柔らかなメロディを自然に歌っていています。凝り固まった肩肘を一気に解きほぐしてくれるような普遍的な良さに溢れ、少しスケールの大きさを感じさせながらもあくまでAcademy Fight Songの曲。ここに彼らのソングライティングの真髄があるように思えます。パンクとハードコア、ポストハードコア、ポストパンク、グランジ、80年代にあったぼんやりとあったはずのオルタナティブを今、新たに作り始めている彼らのこの1年が余すことなく詰まった作品です。
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alvin / 継続 (CD)
¥2,000
仙台のポストハードコアバンドが2023年3月にリリースした1stアルバム。ゆっくりと張り詰めた緊張感、バーストする熱量とその後の美しさが漂う倦怠感、シンプルな演奏からつくり出される余白がイマジネーションを与えてくれるポストハードコア。ジリジリと燻り燃えていくような不穏で気怠げ、ふとエモーショナルが牙を剥いてくる楽曲はHooverからJune of 44、シカゴ音響派まで連なるバンド群のサウンドを想起させます。"消耗"の蠢くベースラインとブチギレ感はThe Crownhate Ruin辺りのサウンドに見事にアジャストしています。いわゆる「分かりやすさ」からは距離をとった彼らのこのアルバムは、難解さや曲の長さ、収録曲数にも表れているように現在のトレンド的なものに逆行しているんですが、この形でしか表現できないものや伝わらないカッコ良さがあるんだなと再認識させられました。"惰性"の陰鬱で冗長な展開からのクライマックスのギターが鳴り響くまでのドラマチックな流れは特に素晴らしく感じます。聴くのがイージーな音楽だけなんてとてもつまらない。日々の葛藤や怒り、諦め、そこから浮かび上がってくる哀愁。大きな物語ではない日常の感情が歌詞にもサウンドにも変な仰々しさ抜きでナチュラルに出ている、今しか作り出せない作品だと思います。
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