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Iron Chic / Not Like This (LP)
¥3,600
ロングアイランドのメロディックパンクバンドが2010年にリリースした記念すべき1stアルバム。リリースはベースであるMike Brunoが運営するグッドDIYレーベルDead Broke Rekerdsからの10thプレス盤。10年代における東海岸系のメロディックパンクの方向性を確固たるものにしたまさにクラシックと言える作品。思わず拳をあげ大声で歌ってしまうようなシンガロング&エモーショナルなグッドメロディ。各楽器のアンサンブルはタイトで分厚く、切なくも熱量のあるボーカルはLattermanの遺伝子を確実に受け継ぎながらもその音楽性により深みを持たせています。パッション剥き出しというよりは一周した人たちの円熟味と哀愁系。元LattermanであるPhil Douglasの繊細で胸に染み込んでくるようなフレーズはエモの要素を感じさせつつもそれを暖かなサウンドとして表現しているさすがの技だなと思います。残念ながら今作リリース時には既に脱退していた同じく元 LattermanのBrian Crozier在籍時の曲"In One Ear"や"Timecop"も収録されています。アルバム全体のバランスとしても緩やかに、しっかりと起伏に富んだ間違いない内容となっています。
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Chilton / st (LP)
¥3,700
ニューヨークのパンクバンドが2024年にDead Broke Rekerdsよりリリースした2ndアルバム。数多くの作品に携わってきたJason Livermoreと共にブラスティング・ルームで録音。 前作はギターで参加していたBill Stevensonに代わりwretch like me でボーカルをしていたAbe Brennanが参加しています(Jason Livermoreのバンドでもあります)。暑苦しいハードロックの要素と複雑でストレンジなマスの要素を高い純度でキャッチーにまとめあげたポップパンク。I FARMのJosh Carothersを中心に結成されたバンドということで痛快なスケートパンクのノリも端々に見え隠れしつつ、研ぎ澄まされた演奏からプログレッシブなフレーズの数々は圧巻。どこがAメロでどこがサビでどう着地するのかグラグラと揺さぶられる曲展開だけど一貫してポップネスに溢れる楽曲にはDescendentsやAllをやはり感じさせてくれます。個人的には特に"Arcturning"、"Me in Motion"のメロディにはハッとさせられました。迷子になりそうでもここぞでグッドメロディでキメてくれる、決して飽きさせない内容となっています。
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Fifteen / The Choice of a New Generation (LP)
¥3,700
サンフランシスコ・バークレーのパンクバンドが1992年にLookout!よりリリースした2ndアルバムをDead Broke Rekerdsがリイシュー。数多くのマスタリングを行ってきたCarl Saffのによりオリジナルのオープンリールマスターテープから見事に修復&リマスタリング。Hugo Fitzgeraldによるアートワークの修復によりLucky Dogのオリジナルのコラージュ・アートを忠実にカラーで再現しています。Crimpshrine解散後に結成された彼ら。1曲目の一発で口づさめるようなベースラインとそれを十分に活かす立体的な展開の"Petroleum Distillation"からCrimpshrine由来のグッドメロディと疾走感全開の"The End of the Summer"への流れは何度聴いても色褪せない見事な流れだと思います。メロディがLookout!のバンドに共通するポップパンクのメロディの甘さがしっかりと出ていて、荒々しい中でも甘く切なく響きます。3~5分の長めの曲が割とあってアイディアが詰め込まれたもっさりとした質感も愛おしいです。名盤ひしめくイーストベイメロディックの中でも残り続ける作品の一つ。
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On The Might of Princes / Sirens (LP)
¥4,000
ロングアイランドのエモバンドの2003年にCDでRevelationからリリースされていた3rdアルバムを2023年Dead Brokeが初めてレコードでリイシュー。オリジナルのレコーディングエンジニアによるリミックス・リマスターがされています。冷たい狂気と怒り、悲しみが渦巻くエモ・ポストハードコア。複雑に、時に不協和音を出しながらもどこか心地よく絡み合う2本のギター、前作に続きジャンルに囚われないリズムパターンはよりダイナミックなものになっています。歌われるメロディはよりメロディアスかつストレートなものへ。今作はCave In、Isisなどで知られる、ボストンのNew Alliance Studioでレコーディングされたということも関係しているのかサウンドプロダクション、アレンジ面でも明らかに前作から数段先のステージに到達したクオリティであり、ほのかにエクストリームなヘヴィミュージックの雰囲気も漂います。静と動が入り乱れるカオスでありながらもしっかりとドラマチックに涙腺を刺激する楽曲はこれが彼らのラスト作となったことを考えると尚更儚いものに聴こえます。
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SPRAYNARD / Cut & Paste (LP)
¥3,000
ペンシルバニアのメロディックパンクバンドが2010年にRunner Up Recordsからリリースしていた1stアルバムをDead Broke RekerdsとSquare of Opposition Recordsがリイシュー。Dead Broke関連作品でもお馴染みCarl Saffによるリマスタリングが施されています。キャッチーなメロディの中にあるメランコリックな質感が胸を打つメロディックパンクサウンド。ミドルに張り付くような綺麗でタイトなベース、ハードでアグレッシブなドラム、見事なサウンドプロダクションから奏でられるエモーショナルなギター、情熱的で時に泣き叫ぶよう歌い上げるボーカルが作り出す3ピースのパワフルな魅力が溢れています。Lattemanの影響が色濃い楽曲だと思いますがよりシンプルかつキャッチーに仕上がっている印象です。どこかThe Promise Ringなどのキャッチーなエモの要素も感じさせてくれます。東海岸メロディックファンは必聴の1枚です。
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Circles / Still. (LP)
¥3,400
フランス・ナントのエモーティヴハードコアバンドがShield RecordingsとExtinction Burstよりリリースした1stアルバム。2017年から活動を始め、これまで3枚のEPをリリースしてきた彼らの満を持しての12曲入りフルアルバムとなります。メロディアスでディスコーダントなコード進行、Minor Threatを思い浮かべる爽快なかっ飛ばしパート、メロディアスさをより追求したエモーショナルなギター。Dag NastyやEmbraceなどといったバンドの影響下のサウンドであるのは明白ですが、ストップ&ゴーやブレイクパート、ギリギリ歌い上げないラインのボーカル("Lung"では最後にド級のメロディを歌いげてますが)はUniform Choiceぽかったりして、その辺り要素をモダンに昇華させたポストレボリューションサマーと言える質感に仕上がっています。近年で一番近いものを感じたバンドはPraise。速い曲も素晴らしいけどミドルテンポの“Waves”でのアンサンブルとポップネスははち切れんばかりに良かった。ハードコアなんだけどその枠でたくさんのアプローチがされていて、聴いていて熱くなると同時にこのアルバムのジャケットのような鮮やかなイメージがそのまま湧いてくるポジティヴなエネルギーに満ちた作品となっています。
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Circles / Coruscation (7")
¥1,500
SOLD OUT
フランス・ナントのエモーティヴハードコアバンドが2021年にリリースした2曲入りEP。レボリューションサマーの持っていたエモーショナルな要素をモダンな感性でより深いものにしていくようなサウンド。今作収録の2曲はミドルテンポでギターはメロディアスで印象的なフレーズの数々を奏でています。サッドさとポップネスが絶妙に入り混じる質感はOne Last Wish辺りのバンド、そしてSuperchunkをかなり意識しているんじゃないかなという楽曲です。懐かしさを感じさせつつ懐古一辺倒ではない自身のスタイルをつくりだしています。
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Celebration Summer / Patience In Presence (LP)
¥3,300
ワシントンD.Cのメロディックパンクバンドが2022年にリリースした1stアルバム。オランダのShield Recordingsからの入荷分となります。汗がスピーカー越しに飛んできそうな熱気、疾走する哀愁、思わず口ずさみたくなるグッドメロディの数々。あり日しのイーストベイからゲインズビルまでが蘇るようなメロディックマナーに忠実であり、愛を感じる楽曲はサッド過ぎずあくまでラフなキャッチーさで全編まとまった絶妙なバランス。10年代半ば位を境に急速に失速してしまった印象のU.Sのメロディックですが、久々にこんなクオリティでどストライクなバンド聴いたなと個人的にめちゃくちゃ嬉しいです。バンド名の由来はHusker Duの "Celebrated Summer "と、80年代のDCのムーヴメント "Revolution Summer "を組み合わせたものとのこと。熱苦しさとサッドなメロディはSamiamを彷彿とさせられますが、骨太なパンクロックをやっている曲なんかはHot Water Musicぽかったり。今作ラストに収録のTiltwheelのカバーしているのにも表れていますがラフメロディックのラフさをきちんとサウンドを以って体現しています。往年のメロディックファンも必ず唸らせる素晴らしいメロディックパンクだと思います。
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Celebration Summer / Against The Gun (12")
¥2,800
ワシントンD.Cのメロディックパンクバンドが2020年にオランダのShield RecordingsよりリリースしたデビューEP。4曲入り片面カッティング、もう片面は痺れるピクチャーが刷られています。しゃがれた哀愁ボーカルとジリジリと燃えていくような楽曲はメロディアスでラフで聴く私たちの感情を熱く高揚させます。2019年にベースのGreg Raelsonを中心に結成され、Husker Duの "Celebrated Summer "と、80年代のDCのムーヴメント "Revolution Summer"からバンド名を冠したというニヤニヤせずにはいられないエピソードがありつつ、サウンドとしては90年代初期から〜2000年代初期辺りのメロディックの質感が色濃いものとなっています。自身で影響を公言しているSamiam、LeatherfaceからGumollなどのメロディックのマスターピースをしっかりと彷彿とさせられるメロディックファン必聴の内容だと思います。
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Forbear / 8songs (CD)
¥2,200
東京のインディ・シューゲイザーバンドの2024年2ndアルバム。LIKE A FOOL RECORDSよりリリース。気怠さと儚さが入り混じる、ドリーミーかつ冷りとする美しさを内包したサウンド。ジャンルを敢えてカテゴライズするならシューゲイザーやインディロックと呼ばれる音楽なのかもしれませんが、ドラムのパワフルかつダイナミズムを感じるスネアとタム、それに乗っかるリフがハードコアとそこを通過して派生していった音楽としてのぶ厚さのようなもの感じさせます。前作と比べよりシンプルになり立体的なリズムが増えた印象でダイナミックなグルーヴが気持ち良いです。BasementはもとよりHUMや一時期のCitizenのようなヘヴィエモ、エモグランジのノリがあるなと。前作に引き続きOtusやSuper Structure等も手掛けるDevu氏のレコーディングということでハードコアにある生々しさが良い形で彼らのサウンドに昇華されています。アンダーグラウンドミュージックのルーツを感じさせつつ現行の音楽としてハイレベルにまとまった、全方向に開かれた作品です。
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Forbear / 4songs (CD)
¥1,650
東京のインディ・シューゲイザーバンドの2022年の4曲+カバー曲を収録したEP。LIKE A FOOL RECORDSよりリリース。 轟音とその間から聴こえてくるメランコリックなメロディ、儚げな男女混声ボーカルが作り出す耽美で悲しい世界観。インディミュージックとしてまとめあげる素晴らしいセンスがありつつ、アグレッシブなドラムと這うような歪んだベースの存在感はグランジやハードコア通過後のミュージックマナーをビシビシ感じさせてくれて、唯のインディミュージックとは違う質感を持つ大きな要因だなと思います。BasementやNothingなどのノイジーなサッドさと通じ合っているのではないでしょうか。CDのみ収録のカバー曲はLIFETIMEのRODEO CROWN。彼らの持ち味が全面に出たカバーになっています。
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Shonen Bat & 石の犬 / Post Marked Stamps #6 (CD)
¥1,100
再始動したSoul Ameria RecordsよりリリースされるスプリットシリーズPost Marked Stampsの第6弾。今回は福岡&スペイン・マラガの2バンドによるスプリット。 Shonen Batは軽快かつ難解なドラムに、鮮やかに、時に淡々と奏でられるギターとその狭間から放出されるエモーショナルが堪らないサウンド。初期のThe Van PeltやKolyaなどに通じる無機質なサッドさはそのままありつつ、マスロック的な要素が増えたことによりかなり良質なミッドウェストエモとしても聴けるよう進化しています。現行のポップパンク影響下のリヴァイバルとは違う質感でBraidとAmerican Footballの狭間をベタに思い浮かべてしまいました。円熟したといって良いソングライティングと演奏技術に裏打ちされていて、ひたすらに聴いていて心地良く渋い3曲を届けてくれています。 石の犬は邦ロックとポストハードコアが結びついたオルタナティブサウンドな2曲。エモや激情を飲み込みながらも彼らの音楽性の核に一貫してある日本的なロックの要素がそのままに出ていてストレートかつキャッチー、その中に仄暗く淡いサッドな質感が内包されています。"風船"はジリジリと燻っていくような気怠い曲展開と不穏さが漂うアルペジオは個人的にDuster節を感じました。敢えて燃やさないところに彼らのソングライティングの本質みたいなものが見える気がします。
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石の犬 / hole,water (7")
¥1,200
福岡のオルタナティブバンドが2022年にrufen publishingsよりリリースした2曲入り7"。 エモ・激情から溢れでたエモーショナルな邦ロックの美学。激情とエモ、邦ロックをあくまでエモーショナルな音楽のひとつとして昇華しています。ソングライターによって多少曲調が異なるのですYageなどのユーロ激情を大枠に2000年前半のkillieやenvyあたりの日本のバイオレンスな叙情性をミックス、それをある種邦ロック的に解釈したような音楽性なのかなと思っています。しかし、The Jesus LizardのようなU.Sオルタナの匂いもあり既存の枠には意地でも収まらないという思いとメンバー各自のバックグラウンドである音楽への憧憬と愛を感じます。A面収録"蒼茫"は伸びやかなボーカルと美しいギターアンサブル。Endserenardingの時のMineralやRikaなどの美エモが彷彿とさせられる哀しくも壮大な記憶が刺激されます。また、「名前をつけてやる」の時のスピッツの儚いドリーミーな感じも出てるなと。ゆっくり踏みしめつつクライマックスの轟音からのエンディングまでのメロディが切なく優しいです。 B面の"戦争"は一転ダークな世界観で感情が燃えまくっている激情影響下の曲。センスを感じるメロディアスなギターの職人感と振り絞るボーカルに心を掴まれます。意図してなさそうなんですが1000travels of jawaharlalやYaphet Kottoなどの激情の間から見え隠れするバーニングなメロディックの青い衝動を感じました。 ジャケのシルクスクリーンのデザインと質感含めて是非手にとって確かめて欲しい一枚です
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lowtide fanzine #5
¥300
SOLD OUT
Serotonin Mistの1st Showの際に配布した、ボーカルHiroshiさん制作によるファンジンです。今回はバンドの歌詞にフォーカスした内容。1st Showに出演したThe Breath、Biliardo、Serotonin Mistの3バンドのボーカルそれぞれの歌詞の書き方や影響を受けた歌詞、それぞれの曲の解説までのインタビューが掲載されています。それぞれの思考や思想が垣間見えてとても興味深かったです。またHiroshiさんによる歌詞の和訳も掲載されており、個人的にFar"Water & Solutions"ってこんな熱い歌詞だったんだという驚きやAainst Me!の尖り散らかした歌詞もよりクリアに見えてきたりして最高の内容でした。
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Serotonin Mist / Sanity & Deli Foods (CD)
¥500
SOLD OUT
東京の激情・エモバイオレンスバンドの1st Demo CD-R。Bandcampにて公開されていた2曲のオリジナルミックスバージョンに未公開の1曲を加えたファスト&ショート、エモーショナルな3曲。生き急ぐような性急なファストパート、畳み掛けるNotマッチョなメタリックニュースクールパート、枯れたアルペジオ。怒りの中の悲しみがダイレクトに伝わるサウンドはPg99からYou and I、Yage、最終的にUNBROKENまでが脳裏をよぎり熱くさせられます。現段階ではいろいろな要素を感じられるのでこのデモからどのようになっていくのかという点でも非常に楽しみな音楽性です。また、差別、貧困、戦争、労働、資本主義、常態化してしまっている不条理に真正面から怒りをぶつける歌詞はストレートでありつつしっかりフックの効いたスタイル。外側だけ模倣したパッケージじゃない、ハードコアのマインドとアクションの部分をしっかりと体現してくれていることを嬉しく思います。 https://serotoninmist.bandcamp.com/album/sanity-deli-foods-demo-2024
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Futurina & Elliott Green / Post Marked Stamps #5 (CD)
¥1,100
再始動したSoul Ameria RecordsよりリリースされるスプリットシリーズPost Marked Stampsの早くも第5弾。今回は熊本とシアトルの邂逅。 熊本を拠点に活動するエモ・ポストロックバンドfuturinaの初作品。ゆっくりと、しかし力強く形作られるサウンドは涼しげでありつつドラマチック。繊細なアンサンブルは優しくほのかに悲しい。Rainer MariaやPohgohなどの90'sエモ・インディロックを彷彿とさせるサウンドで、勿論ミッドウェストマナーもしっかりと押さえています。昔のpolyvinylのバンドへの親近感を覚えるようなエモとインディロックの絶妙な塩梅。ガチガチの懐古的なサウンドという訳でもなく現行のエモを出発点にクラシックなエモへのアプローチを模索している印象です。一時期のhomecomingsをもどこか思い起こさせられるのも心にくい3曲を収録。 シアトルを拠点に活動するシンガーソングライターElliott Greenは、メランコリックなメロディを感情たっぷりに歌うアコースティックサウンド。静かに生み出される一音一音が聴く人各々の傷にそっと寄り添ってくれるような感覚。悲しみ、苦悩、喪失感、音と共に放たれる彼女自信のパーソナルなストーリーは脆さと強さを合わせ持つ故にいっそう美しく聴こえます。Julien Bakerにも通じるサウンドですが個人的に1番近いものを感じたのはPinegrove。アーティスティックなセンス抜群の2曲。
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futurina / Always refreshing / Elephant (cassette)
¥1,000
熊本を拠点に活動するエモ・ポストロックバンドfuturinaの2曲入りカセットテープ。DLコード付き。Post Marked StampsシリーズのスプリットCDに続いての初単独作品。 熊本の中で間違いなくベストなライブ/クラブベニューNAVARO内レーベル4JC RECORDSよりリリース。 心地良さとメランコリックの狭間で揺れるようなサウンド。狙いすましたアルペジオと共にゆったりとしたリズムで丁寧に進んでいき、ここぞのところではしっかりとバーストさせるのはPenfoldなどのDeep Elmのエモバンドの文脈を感じさせられます。"Eelephant"はイントロのベースライン入ってきてからはニヤニヤものですね。浮遊感と牧歌的な質感は淡いという表現がぴったりな沁み入るようなエモーショナルがあります。 https://4jcrecords.bandcamp.com/album/always-refreshing-elephant
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BURIAL ETIQUETTE & UNDERMARK / Post Marked Stamps #1 (CD)
¥880
カナダと名古屋が邂逅するエモ・ハードコアSplit。リリースは再始動したSoul Ameria Recordsより。カナダBURIAL ETIQUETTEは透き通るメロディと絞り出すスクリーム、時代を超えてきたかのような未完成さがエモとして完璧。特に“Suspension In Timelapse"の疾走感溢れる前半、原理主義的な叫びを聴かせる中盤、現代的な壮大さでたたみかける後半と、90年代から懐古主義をぶち抜いた最先端。RAINER MARIAというよりはEldrich AnisetteやTeenage Love Affairのようなユーロの歴史の片隅に残された、いなたくも真に迫るエモーショナルがあると思います。 名古屋UNDERMARKは90年代の地下で蠢き燃えていた“あの“ハードコア。SPLIT LIP、SHOULDER、そしてDIGNITY FOR ALLのような熱くドラマチックなエモーティヴハードコアです。アルペジオや途中のスクリームにはモダンな激情の要素がありスタイリッシュさもあります。全編素晴らしいのですが特に"DRIFTER"の2:23~のリフからの展開はめちゃくちゃエモーティヴハードコアだと拳を握ってしまいましたし、ちゃんと現代のものとしてアップデートされていて個人的に大興奮でした。やり尽くされた90'sリヴァイバルよりも今世界的に必要なのはこの音だと思います。 両バンドのサウンドやジャケットからも感じられるのはアイデアとD.I.Y、そこから作り出される確かな実在感。それが今真新しい輝きを放っています。
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WE ARE ON FIRE & CUTHBARTS / Post marked stamps#2 (CD)
¥1,100
2022年の暮れに北海道のSoul Ameria Recordsより投下されるドイツのWE ARE ON FIREと札幌のCUTHBARTSがそれぞれ異なるエモーショナルの形を提示したスプリット、Post Marked Stamps #2。 2010年後半に一本のデモテープとShalashaskaとのスプリットで衝撃を一部エモリスナーに与え、その後音沙汰なかったドイツ・ブレーメンのカルトエモバンドがまさかの2022年にリリースという事件。ギターとドラムという最小限の構成からつくられる枯れ切ったギター、サッドなのにどこか牧歌的なメロディと蒼い叫びは誇張や脚色なしの生々しい等身大のエモーショナル。Human HandsやThe Blue Periodなどの10年代UKエモや同じドイツのMiraなどと同じ毛色の90'sエモをヨーロッパ的なニュアンスで再構築したサウンドだと思います。不純物一切なし、胸に突き刺さる3曲です。 札幌のCUTHBARTSは内へ内へと向かった感情が溢れたような切なくてあまりに純粋なエモーショナル。繊細でどこか不安定な印象を受けるサウンドはBroken Hearts Are Blueが1番に思い浮かんできました。また、過去作を含めて聴くと90'sのDeepElmのバンドにあったのギターロック的なニュアンスが根底のところにしっかり根付いているのかなと思います。生きていくうえでの生活と繋がっていることを意識させられる、どこまでも地に足がついていて汗と涙と哀愁が沁み込んだ歌詞。日本語詩とそれに乗るやはり日本的と言って良いメロディはどこか私たちに親しみ深い郷愁を感じさせてくれて、友部正人などのジャパニーズフォークのニュアンスがあるのではと(勝手に)解釈しています。悲しみと暖かさは共存し得る、何度でも噛みしめて聴きたい2曲。 両バンドひっそりとでも確実に続いていって欲しい素敵な音楽です。
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Biliardo & Pyre / Post Marked Stamps #4 (CD)
¥1,100
再始動したSoul Ameria RecordsよりリリースされるスプリットシリーズPost Marked Stamps、日米のスクリーモが交錯する第4弾。 東京のBiliardoは蒼く悲痛な叫びが響き、サッドなアンサンブルが激しく、時に叙情的に変化していく激情ハードコア。envyなどが根底にある日本の激情ハードコアの系譜でありつつ、スポークンワード、疾走パート、ヘヴィなリフなどバラエティに富んだフレーズとアイデアが多く散りばめられています。彼らの激情というスタイルに込められた情報量の多さは現代的であり東京的な雑多性を持っているなと思います。今作が初音源ということですが叙情性という面を追求したジャパニーズスタイル激情の最新版になっていくのではないかと言う期待を抱かせる3曲を収録。 フィラデルフィアのPyreは一瞬の枯れたきらめきが眩しいスクリーモ。2000年代前半の激情や近年のskramzの要素もちらつくバーストな展開とメランコリックなアルペジオ、絞り出すような叫びが作り出す寂寥感が堪らないです。メロディを歌っている部分もめちゃくちゃ良くて、そこだけ7“を2枚だけリリースして解散系の90'sのエモ。全編エモパートだけで聴いてみたくなるほど良いなと思います。叫びと歌、激しさと侘しさのコントラストから生み出されるエモーショナル。
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sniff / EP1 (CD)
¥1,000
SOLD OUT
熊本のエモバンドがリリースした1st EP。4曲入りCDR。歌詞カード付き。煮え切らない切なさのような、言いようのないエモーショナルが徐々に込み上げてくるメロディアスでサッドなサウンド。初期のトウィンクルな路線はややなりをひそめ、シンプルかつパワフルな部分が強調されつつ、繊細なメロディは深みを増しています。Texas is The ReasonやPenfoldあたりへの憧憬も感じさながらも個人的に近い質感はThe Promise Ringかなと。キャッチーだけど沸点までいききれない侘び寂び、エモとメロディックの淡いグラデーション。今っぽさや日本ぽさがメロディに見え隠れしたり、ギターロックが好きなんだなというアプローチも随所にあって懐古的一辺倒なサウンドではないものに仕上がっています。"Sheep"とても好きです。
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dryacid / promo 2023 (cassette)
¥1,000
SOLD OUT
福岡のパンクバンドの2024年BLACKHOLEよりリリース予定の1st 7"収録曲の別テイクをはじめ、全4曲を収めたプロモテープ。DLコード付き。リリースはkultti kasetti。鉄壁のドラムといぶし銀のベースにより作られるクールでタイトなリズムを土台に、サッドで色彩鮮やかギター、高揚感を煽る熱いボーカルはポストパンクを消化させたパンクサウンド。BllitzやCamera SilensといったOi! Punkをポストパンクの要素で昇華させたサウンドは純度を損なわずにスタイリッシュ。Syndrome 81やLitovskといった現行のモダンパンクとも渡り合える内容です。これを聴いてリリース予定の7"の期待を上げときましょう。 https://kulttikasetti.bandcamp.com/album/promo-2023
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Moethein / E.P (CD)
¥1,300
福岡を拠点に活動するシンガーソングライターMoetheinによる2023年リリースEP。ティーンエイジャーの頃聴いて受けた衝撃と感情がフラッシュバックするようなポップであり物憂げ、一度聴いたら頭から離れない極上のメロディ。アコースティックの優しげな響きと蒼く澄んだような声が優しく寄り添ってくれる。90'sから00's前半のオーバーグラウンド化していく過程での広義のパンクが持っていた、より多くの人に届いて離さない魅力が彼の楽曲にはあるように思えます。WEEZER、BLINK 182、The Get Up KidsからDrive-Thru Recordsのバンドまでがふと脳裏によぎる、キャッチーで胸が締めつけられる甘酸っぱいアコースティックサウンド。
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TEXAS 3000 / tx3k (cassette)
¥2,200
SOLD OUT
東京の3ピースオルタナティブバンドによる2023年にSkin Slicing Horseよりリリースされた1stアルバム。楽曲の端々から香る大陸の音楽特有の力強さと哀愁、ザラザラとした想像上の80's、90'sのアメリカに思いを馳せてしまうサウンド。雑多に変則的に曲がりくねりながらもある瞬間に1つに繋がる感覚はPolvoやShudder To Thinkにも通じるグッドミュージックだと思います。肩の力が抜けているようで突如ギア上げてくる瞬間とメランコリックなアルペジオがアルバム全体、1曲の中で目まぐるしく変化していき、その質感は彼らの瞬間瞬間を切り取り凝縮させたよう。それでいて聴き手に難しいとは感じさせないのはやはりセンスだなと。乾いたポップネスが余すことなく詰め込まれた作品です。
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