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Star 99 / Gaman (LP)
¥3,500
カリフォルニア・サンノゼの親友4人により結成されたパワーポップバンドの2025年2ndアルバム。Lauren Recordsよりリリース。喜びも悲しみも極上のポップネスで包みこみ、爽快感たっぷり届けられる全10曲。The MuffsからThe Get Up Kidsまでもが脳裏に浮かぶメロディメーカーの系譜。前作から引き続き2人のボーカルの掛け合いの感じなんかはLemuriaぽくもあるなと思うので、パワーポップからメロディックパンクが好きな人にも何かしら刺さるものがあるのではないでしょうか。楽曲の作り自体はシンプルでありつつ、前作と比べムーディな雰囲気の曲や打ち込みの曲があったり、アプローチの幅がグッと増え、インディロックとしてもより成熟している印象です。グッドメロディは今作も勿論溢れまくっているので、より多くの人に聴いて欲しくなる内容です。
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Star 99 / Bitch Unlimited (LP)
¥3,500
サンフランシスコ・サンノゼのパワーポップバンドの2023年1stアルバム。リリースはLauren Recordsより。2021、2022年にそれぞれ自主でリリースしていたEPの時点でただならぬ雰囲気があったのですが今アルバムでセンス爆発のとびきりのポップネスとピュアなエネルギーに溢れたパワーポップ・ポップパンクサウンド。1発で耳に刻まれるキャッチーで明るくもどこか切ない心くすぐられる1番欲しいグッドメロディ。2人のボーカルによるかけ合いもとても魅力的で、"South Second"なんかはLemuriaをめちゃくちゃ思い出してしまいました。Fastbacksなんかの90'sギターロックやSwearin'、Ratboysなどの10's系インディロック要素も多分にあるのでパンク、オルタナ好きな人も必聴系だと思います。
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Dogs On Acid / ST (LP)
¥3,600
インディエモバンドの2015年にJade Treeからリリースされていた唯一のアルバムを2025年、リリース10thアニバーサリーとしてLauren Recordsがリイシュー。Algernon Cadwallader、Snowingというエモリバイバルの流れの中心にいたバンドのメンバーにより結成。エモ、トゥインクル通過後のサウンドであり、インディ、エモ、パワーポップなど幅広いレンジで聴くことができる、切なくてポップでひたすらに心地よいサウンド。ジャングリーかつ美味しいところで美味しいギターがドライブする様は90'sのギターロックやオルタナティブロックをエモ通過後のフィルターでやったのかなと思います。トゥインクル要素はほぼ感じられないけど良いアルペジオがさらっとあったり、ヘヴィさを鮮やかさに変換したWEEZERという感じで、やっぱりどの曲のどこを切り取ってもキラーなメロディだらけで最高です。
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Algernon Cadwallader / Parrot Flies (LP)
¥3,500
フィラデルフィア産エモリヴァイバルバンドの2011年リリース2ndアルバムをLauren RecordsとAsian Man Recordsがリイシューしたものです。 今日まで続くエモリヴァイバルの流れを形作ったバンドといえるバンドです。ギターの複雑かつ美麗さ、シンガロングをせざるを得ない熱いボーカル、マスロックのような捻くれた曲構成とそれがキャッチーにまとめ上げられた楽曲達は音楽的センスに満ち溢れています。 2ndの今作も色濃くCap'n Jazzの遺伝子を受け継いでいますが、1stの牧歌的な感じからよりソリッドに爆発力が宿っています。 従来のエモでもマスロックでもないキラキラしているけどヒリヒリさせられっぱなしのエモの文脈を書き換えた一枚です。
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Algernon Cadwallader / Some Kind Of Cadwallader (LP)
¥3,500
フィラデルフィアのエモリバイバルバンドが2008年にリリースした1stアルバムのAsian Man Records、Lauren Recordsによるリイシュー盤。Cap'n Jazz直系といえる蒼くエモーショナルな楽曲であり、トゥインクルでメロディアスな響の可能性を突き詰めたパイオニア的サウンド。鮮やかで複雑な広がりのある各楽器のアンサンブルはAmerican Footballやマスロック、カントリーなどの影響下であるのでしょうが、それらの要素を内包しつつもオリジナリティ溢れる質感は彼らのセンスが故に成したものかもしれません。シンガロングパートでは牧歌的だけど燃え上がるような熱がありエモの前にパンクの核がちゃんとあるのを感じられます。後続に絶大な影響を与えた彼らですが、聴き直すと個人的には他を寄せ付けないくらい唯一無二です。
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Algernon Cadwallader / ST (LP)
¥3,500
フィラデルフィアのエモリバイバルバンドがリリースしてきた、2006年Demo EP、2009年EP、"Serial Killer Status"、"Katie's Conscious"のアンリリースドテイク、4way splitに加え、ビートルズの「This Boy」とエルヴィス・コステロの「No Action」のカヴァーを収録。どの音源も入手しずらくなっているので非常ありがたい内容の編集盤。Lauren RecordsとAsian Man Recordsより。個人的に2009年EPがベストエモーティヴトゥインクルで熱さもメロディも最高だと思ってるのでAlgernon好きなら必ず聴いて欲しい内容です。
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YAPHET KOTTO / Seems Our Situation Calls For Blood Loss (Lp)
¥4,500
SOLD OUT
カリフォルニアのハードコアバンドがリリースしたシングル、スプリット、コンピからのアルバム未収録曲を全て収録、未発表曲3曲も加え 全曲リマスターされた編集盤。Dead Broke RekerdsとRepeater Recordsによるスプリットリリースです。"ディスコード"や"エモーティヴ"側とはまた違った視点でのハードコアのエモーショナルさの極地といえるサウンド。ビリビリと痺れる緊張と全部燃やし尽くすような熱量、静と動のコントラストがひたすらに胸をうつ奇跡的なものだと思わされます。どこを切り取ってもハードコアでありエモであるドラマチックミュージックですね。個人的にJasmineの"Heritage"カヴァーで涙。バンド在籍時の写真やフライヤーが掲載されたインサート・ブックレットは当時の空気感そのまま。噛み締めて読みましょう。今となってはレコードで聴くのが難しい音源ばかりだったと思うのでリリースしてくれた2レーベルに大感謝です。
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On The Might Of Princes / Where You Are and Where You Want to Be (LP)
¥3,300
ニューヨーク・ロングアイランドの伝説のエモ・ポストハードコアバンドの2001年リリース2ndアルバムのリイシュー盤。Dead Broke Rekerdsからです。音楽性はTexas Is The Reason、yaphet kotto、Engine Down等のバンドを思い起こさせますが、そのどれにもあてハマらない唯一無二のものとなっています。90's emoの延長線上ではありつつもハードコア由来の攻撃性は失っておらず、正しい意味でのポストハードコアを体現しているバンドだと思います。特に"And the Hat Stays Onは淡々しつつも悲痛な静パートからの感情むき出しの重厚な激パートへの畳み掛け方がドラマチックとしか言いようがないです。 寒々とした静寂と悲しい咆哮に胸をえぐられる作品。
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On The Might of Princes / Sirens (LP)
¥4,000
ロングアイランドのエモバンドの2003年にCDでRevelationからリリースされていた3rdアルバムを2023年Dead Brokeが初めてレコードでリイシュー。オリジナルのレコーディングエンジニアによるリミックス・リマスターがされています。冷たい狂気と怒り、悲しみが渦巻くエモ・ポストハードコア。複雑に、時に不協和音を出しながらもどこか心地よく絡み合う2本のギター、前作に続きジャンルに囚われないリズムパターンはよりダイナミックなものになっています。歌われるメロディはよりメロディアスかつストレートなものへ。今作はCave In、Isisなどで知られる、ボストンのNew Alliance Studioでレコーディングされたということも関係しているのかサウンドプロダクション、アレンジ面でも明らかに前作から数段先のステージに到達したクオリティであり、ほのかにエクストリームなヘヴィミュージックの雰囲気も漂います。静と動が入り乱れるカオスでありながらもしっかりとドラマチックに涙腺を刺激する楽曲はこれが彼らのラスト作となったことを考えると尚更儚いものに聴こえます。
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The Arrival Note / …Home Is So Far From Here (LP)
¥3,850
SOLD OUT
フロリダのエモバンドが2つのEPとスプリット7インチを経てリリースした2024年1stアルバム。これまでと同様にSunday Drive Recordsより。王道とも言えるようなメランコリックかつキャッチーで涙腺を刺激するようなエモーショナルなサウンド。全体としてビタっとした重心の低いバランスとほのかにリフの端々に漂うヘヴィネス、ハードコアから脈々と繋がる質感を内包している様はLate 90's~Early 00'sのElliottやTexas is The ReasonといったRevelation Emoの系譜を感じさせます。また、フロリダという土地に深く根付いているロック、メタルのパキっとしたパワフルさと哀愁がふんだんに出ていて、Further Seems ForeverやHot Water Music味もほんのりあります。あと個人的にフロリダじゃないですがエモに振り切ったPlanes Mistaken for Starsだなと思ったりもしました。純度100%の地下の音楽というよりはオーバーグラウンドに届きそうで届かないあの感じがしっかりあり味わい深いです。同郷のバンドGlazed、Postdromeのボーカルをフューチャリングした楽曲も複数収録されていて現行のフロリダシーンのハードコアとエモの距離感も包括したアルバムとなっています。
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WELLSAID / REGRETOPIA (LP)
¥3,680
香港のオルタナティブロックバンドが2024年にメンバーのレーベルであるUN TOMORROW、AIRHEAD RECORDSよりリリースした3rdアルバム。ザラザラとした質感から生まれるどことない不安定さ、その中で表現される楽曲はキャッチーでありながらも漠然とした寂寥感に溢れたサウンド。作品毎に音楽性を変化させてきていましたが、今作では元々あったトゥインクルエモの要素はなくなり、ポストハードコアやオルタナティヴロックの源流からの影響が色濃くなっています。シンプルになりつつより幅が広がっている印象で、枯れた質感はKarateやSlint、オルタティヴでポップなアプローチはBuilt to spillなどといったバンドが思い浮かびました。A面3曲目"The Abattoir"は個人的に特に気に入っていてレボリューションサマー彷彿のリフとボーカルを主軸にしつつギターソロがあったり最後の激情チックな締め方までが上手くまとまっていて、面白くてしっかりカッコ良い。この作品内にある多様な要素が凝縮された一曲かなと思います。ラストの"Ein"のキャッチーなコーラスのままのフェードアウトはエモもポストハードコアも突き抜けていく感じが気持ち良く爽快。90'sから現在までにある雑多性をオルタナティヴなロックとして昇華している作品になっています。 https://sweatyandcramped.bandcamp.com/album/regretopia
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Iron chic / THE CONSTANT ONE (LP)
¥4,000
SOLD OUT
ニューヨークのパンクバンドが2013年にBridge Nine Recordsよりリリースした2ndアルバム。6thプレス盤となります。汗と熱気、極上のメロディが醸成されたメロディックパンクサウンド。各楽器とボーカルが作り出す彩りあるメロディが太く重なり、それがクリアに響く音像は暖かく優しい。シンプルでパワフルな部分とギターのエモよろしくなフレーズのコントラストもよりサウンドに奥深さを与えていて見事です。Latterman、Get Bent、Small Arms Dealerといった東海岸メロディックのメンバーが集まったという期待は2ndアルバムでも裏切られず、それらのバンドをより成熟させていった印象です。若者には出せない哀愁と熱量。Iron Chicのフォロワーバンドも多くいた中、オリジナルの貫禄を見せつけてくれた10年代メロディックサウンドの最終形態なのではないでようか。今作には同時期に活動していた、こちらもベストメロディックパンクバンドRVIVRのボーカルEricaがゲストボーカルで参加しているというのも心躍ります。汗と熱気が溢れるベースメントショウがそのまま包み込まれたようで、リリースされてからの10年以上の月日に全く左右されないクラシックと言って良い作品だと思います。
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JOSHUA / NASCENT (LP)
¥4,300
SOLD OUT
ニューヨークのエモバンドの1996年にImmigrant Sun RecordsからCDでリリースされたデビューEPが、活動再開に際してリマスターされ初めてレコード化。本作「Nascent」は、1995年のデモ「Today We Flew Our Balloons」からの未発表曲と、1999年にDoghouse Recordsからリリースされたデビュー・アルバム「A Whole New Theory」からの2曲を再レコーディングした内容となっています。DLコード付き。メランコリックで繊細なメロディとハードコアからの影響を感じさせるダイナミックな展開とリフが結びついている90's Emo。徐々にインディ色が強くなっていった印象だったのですが、今作収録曲は時代的なものなのかかなりニュースクールハードコアの要素を感じるサウンドで、ヘヴィでネチネチした質感はShiftやBy a Threadなどといったバンドが思い浮かびます。伸びやかなボーカルは蒼さとサッドさ、キャッチーさを兼ね備えていて楽曲とのバランスは90'sという時期のエモの魅力を余すことなく出しているものとなっています。
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HAMMERED HULLS / CAREENING (LP)
¥3,300
昨年の素晴らしかったジャパンツアーの記憶も新しい、Faith、Make-Up、Ted Leo、Wild Flagなどなど書ききれないD.C、Dischordの歴史とも言えるメンバーにより結成されたポストハードコアバンドの2022年にリリースした1stアルバム。Ian MacKayeプロデュースの元、Inner Ear Studioでレコーディング・ミックスされ、Dischordよりリリースという鉄壁の布陣。年齢を重ねたからこそ出せるハードコアのエモーショナルな要素が凝縮されたような音楽性。10代の速さではないが、パワフルでアグレッシブな楽曲にボーカルがのった瞬間に一気に燃えたぎる熱量もパンパンに感じます。そして、同時にFUGAZIやHooverといったバンドの溜めて溜めてのヒリヒリ感もあり、めちゃくちゃ痺れる。ハードコア一辺倒の音楽性では決してなく、ポストハードコア、パンク、ガレージ、ポストロック、アートロックなどメンバーそれぞれのバックグランドや興味によって作られているように思えます。革新的な意欲とは違う、D.Cの音楽とそこから連なっていった音楽をあくまで自然に昇華している部分に懐古ではない瑞々しさがあって、だからこそ何度も聴いてしまう。速さとグルーヴ、緊張と弛緩、実験性と王道が全て詰まった名盤です。
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ONE LAST WISH / 1986 (LP)
¥3,300
SOLD OUT
レボリューションサマーの到達点にして原点。D.Cの若者達による蒼くきらめく永遠のマスターピース。RITES OF SPRINGとEMBRACEのメンバーによって1986年に半年間だけ活動したエモーショナルハードコアバンドが残した唯一の単独音源。プロデュースしたイアンマッケイとメンバーそれぞれが経験したバンドから蓄積されたハードコアをいかにエモーショナルに進化させるか、ということが完全に結実した内容です。メロディアスなギターとベース(ベースラインは"Loss Like a Seed"、"Shadow"など聴くと特に重要な役割を果たしていると思います)、多彩なドラム展開。DAGNASTYがハードロック要素を大きく取り入れたのに対して、彼らはポストパンクを始めより様々な音楽的バックグラウンドを持ってこのサウンドを作り上げているように思えます。メランコリックな「エモ」ではない熱いエモーショナルがほとばしる
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Iron Chic / Not Like This (LP)
¥3,600
ロングアイランドのメロディックパンクバンドが2010年にリリースした記念すべき1stアルバム。リリースはベースであるMike Brunoが運営するグッドDIYレーベルDead Broke Rekerdsからの10thプレス盤。10年代における東海岸系のメロディックパンクの方向性を確固たるものにしたまさにクラシックと言える作品。思わず拳をあげ大声で歌ってしまうようなシンガロング&エモーショナルなグッドメロディ。各楽器のアンサンブルはタイトで分厚く、切なくも熱量のあるボーカルはLattermanの遺伝子を確実に受け継ぎながらもその音楽性により深みを持たせています。パッション剥き出しというよりは一周した人たちの円熟味と哀愁系。元LattermanであるPhil Douglasの繊細で胸に染み込んでくるようなフレーズはエモの要素を感じさせつつもそれを暖かなサウンドとして表現しているさすがの技だなと思います。残念ながら今作リリース時には既に脱退していた同じく元 LattermanのBrian Crozier在籍時の曲"In One Ear"や"Timecop"も収録されています。アルバム全体のバランスとしても緩やかに、しっかりと起伏に富んだ間違いない内容となっています。
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SPRAYNARD / Cut & Paste (LP)
¥3,000
SOLD OUT
ペンシルバニアのメロディックパンクバンドが2010年にRunner Up Recordsからリリースしていた1stアルバムをDead Broke RekerdsとSquare of Opposition Recordsがリイシュー。Dead Broke関連作品でもお馴染みCarl Saffによるリマスタリングが施されています。キャッチーなメロディの中にあるメランコリックな質感が胸を打つメロディックパンクサウンド。ミドルに張り付くような綺麗でタイトなベース、ハードでアグレッシブなドラム、見事なサウンドプロダクションから奏でられるエモーショナルなギター、情熱的で時に泣き叫ぶよう歌い上げるボーカルが作り出す3ピースのパワフルな魅力が溢れています。Lattemanの影響が色濃い楽曲だと思いますがよりシンプルかつキャッチーに仕上がっている印象です。どこかThe Promise Ringなどのキャッチーなエモの要素も感じさせてくれます。東海岸メロディックファンは必聴の1枚です。
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Circles / Still. (LP)
¥3,400
SOLD OUT
フランス・ナントのエモーティヴハードコアバンドがShield RecordingsとExtinction Burstよりリリースした1stアルバム。2017年から活動を始め、これまで3枚のEPをリリースしてきた彼らの満を持しての12曲入りフルアルバムとなります。メロディアスでディスコーダントなコード進行、Minor Threatを思い浮かべる爽快なかっ飛ばしパート、メロディアスさをより追求したエモーショナルなギター。Dag NastyやEmbraceなどといったバンドの影響下のサウンドであるのは明白ですが、ストップ&ゴーやブレイクパート、ギリギリ歌い上げないラインのボーカル("Lung"では最後にド級のメロディを歌いげてますが)はUniform Choiceぽかったりして、その辺り要素をモダンに昇華させたポストレボリューションサマーと言える質感に仕上がっています。近年で一番近いものを感じたバンドはPraise。速い曲も素晴らしいけどミドルテンポの“Waves”でのアンサンブルとポップネスははち切れんばかりに良かった。ハードコアなんだけどその枠でたくさんのアプローチがされていて、聴いていて熱くなると同時にこのアルバムのジャケットのような鮮やかなイメージがそのまま湧いてくるポジティヴなエネルギーに満ちた作品となっています。
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Feverchild / Altering a Memory (12")
¥3,700
SOLD OUT
ベルギーのエモバンドがリリースした2023年作8曲入りEP。リリースはSunday Drive RecordsとRe-Ignition Recordsより。2021年の鮮烈なデビュー以来、オールドスクールなエモフリークがまさに現代に求めていたサウンドを作り続けている彼らの12インチフォーマットでのリリース。燃えるように重厚に進むミドルテンポパートからメランコリックなアルペジオパートでの哀愁のコントラスト。1st EP以降の流れを鑑みるとかなりインディロックな方向に進むのではと予想していましたが、自分の杞憂をイントロからの"City of Flowers"で吹き飛ばしてくれました。向き合い方がかなり難解な90'sエモというサウンドに対し、小細工なしで真正面から向き合っている王道的エモ。作品全体としてややBPMを落としていて、そこから丁寧に展開していく楽曲にはエモに大事な気怠さとドラマチック性が大い内包されています。"Eva"のアコースティックサウンドの試みや各楽曲のコーラスワークからも感じ取れるのですが、やはりSunny Day Real Estateの影響はかなり大きいのかなと。MINDED FURY、Animal Clubといったベルギーハードコアバンドのメンバーで構成されており、ハードコアをやっていた・やっているメンバーがやるエモという正統派の流れも憎いところ。そして、それは懐古的な考えでなく間違いなくサウンドとしての深みを違うものにしています。
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Loma Prieta / Last (LP)
¥3,800
SOLD OUT
カリフォルニア・サンフランシスコの激情ハードコア、ポストハードコアバンドの2023年最新作。Deathwishよりリリース。激情ハードコアの持つダークで暴力的な魅力は内包しつつ、メロディアスかつ多様なアプローチとソングライティングがポジティヴな方向へと向かうエネルギーを感じさせる。初期のピュアな激情サウンドから徐々に変化を続けていましたが、ネクストレベルを感じさせるアーティスティックな広がりのあるサウンドへと進化した内容であると言えます。音楽性に加えて楽曲面のトータルでのクオリティの高さもガッチリとフィットしていて、どこか高尚さとハイプさが漂っているのは各自好みの分かれるところかもしれませんが、やっぱり一つ一つの曲が抜群に良い。近年のFiddleheadやHigh Visなどが行っていたハードコアをオルタナティヴな解釈で再構築するという行為を、彼らも激情ハードコアという枠組みの中で実践した作品であると思います。現行のハードコア影響下の音楽がどのような方向に向かっているかということを彼らの視点で教えてくれています。アルバムトータルでの一貫性もしっかりと確立されているので是非アルバム通しで聴いてください。
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Everyone Asked About You / Paper Airplanes, Paper Hearts (2LP)
¥4,200
SOLD OUT
90年代に活躍し、後年一部でカルト的な人気を博しているアーカンソー・リトルロックのエモバンドの音源をNumero Groupがリイシュー。本作"Paper Airplanes, Paper Hearts"は、1997年から2000年にかけてリリースされた"Let's Be Enemies"LPと2枚の7“、The Shyness ClinicとのSplitを含む、Everyone Asked About Youの全作音源集。オリジナルDATからリマスターされ、ゲートフォールド・チップオンスリーブ仕様、当時のフライヤー、写真、歌詞、そしてミッドウェストエモとモーグシンセサイザーを結ぶ重要なミッシングリンクに関するエッセイが詰まった20ページのブックが付属するという、エモの奥深さを堪能できる豪華な内容。蒼さと儚さが入り混じる2人のボーカル、シンプルかつ余白たっぷりなリズム隊に枯れたメランコリックなアルペジオ、それをシンセサイザーが優しく包み込む。少しカラッとした質感はミッドウェストエモであり、メロディ自体はキャッチー。時に私たちの心に沁みいり、時に高揚させるエモとして完璧なバランス。不安定さ、不完全さがオーバーグラウンドミュージックやクオリティという音楽的要素を凌駕する瞬間が納められている、エモフリークを熱くさせるのも納得のサウンドです。Jejune、Eldritch Anisette、近年のバンドだとKitty HawkやBlue Periodが好きな人は間違いなく気にいるサウンドです。 "Crazy"とか聴くとBraidの影響も受けたのかなと。90's emoの幻想は続きそうです。
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Native Nod / This Can't Exist (LP)
¥3,400
SOLD OUT
ニュージャージーのエモ・ポストハードコアバンドがGern Blandsten Recordsより1992年〜1995年の間にリリースした3枚の7"を収録した編集盤をNumero Groupが初のLPでリリース。ライナーノーツ、当時の写真やフライヤーなど掲載されたブックレット付き。ダークで実験的、時折一気に燃え上がるようなエモーショナルなサウンド。DischordやEbullitionのポストハードコアとはまた違ったアプローチを行っており、ダークな部分はIndian Summerなどのプロトタイプエモ・激情に近しい部分を感じます。また、ネチネチした部分はNew Ageのハードコアバンドからタフさを取り払ったような質感でエモーティヴハードコアにも通じるところも面白いところです。Native Nodは後にThe Van PeltをやるChris Leoがメンバーということでもフォーカスされますが、今作の楽曲の中にもThe Van Peltへと受け継がれたであろうクリーンな不穏さとでも言うような、独特のスタイルが既に随所散りばめられています。ハードコア、ポストハードコア、エモが地続きな時代が故に生まれ、各地に共鳴した、この時代のマイルストーン的作品となっています。
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INDIAN SUMMER / GIVING BIRTH TO THUNDER (LP)
¥3,400
SOLD OUT
2010年代に海外のエモ系ブログや掲示板で度々見かけた“リアルエモ“という言葉。リアルかフェイクかの論争は各々の見解に任せるとしてもIndian Summerは圧倒的にリアルなエモであることは間違いないように思えます。音を聴いた瞬間に崩れ落ちそうになる程の洗練されていない生々しいエネルギー、感情に訴えてくる怒りと悲しみに襲われます。そして、哀愁という言葉がチープに思えてくる程、渇き、枯れている。既存のハードコアからの脱却の過程で作り上げてしまった、ゆっくりとした展開からサッドなエネルギー溜め込んでいき暴力的なまでに放出する静と動のコントラストはそれまでにないものであり、エモのプロトタイプと言えます。初期衝動が故の限界値越えのエモーショナルに痺れあがります。1993年から1994年という僅かな活動期間を駆け抜け、数枚の7"やSplitをリリースした、活動形態すら美しい彼らの作品を網羅したディスコグラフィー。Numero Groupより。詳細なライナーノーツ、フライヤーを含む28ページのブックレット付き。この先も間違いなく必聴の一枚です。
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LINCOLN / Repair and Reward (LP)
¥3,400
SOLD OUT
1992年結成のウィスコンシン州モーガンタウンのポストハードコア/エモバンドのリリースした3枚の7インチに収録されていた7曲と未発表曲1曲を加えた全8曲の編集盤が2022年にTemporary Residence Limitedよりリリース。全曲J.Robbinsによるリマスタリングです。せまり寄ってくる不穏さと苛烈とも言えるエネルギーが飛散するハードコアでありエモ。ハードコアとエモの境界線が極めて曖昧であり、地続きであったIndian SummerやEmbassyなどのバンドと同じものを感じることができるリアルエモと呼ぶのに相応しいサウンドです。緊張と爆発を繰り返す楽曲に沸騰するような興奮を覚え、歌われる切なく生々しい叫びは胸をどうしようもなくうちます。レヴォリューションサマーから世界中に拡散されたエモーショナルの遺伝子が本流とは少し違った形で芽吹いたのが90年代前半、その一群の中でも歴史の隙間で消えない強さをどの曲にも感じることができます。またメロディや歌い回しは後々のYaphet Kottoや1000 Travels Of Jawaharlalなどへの橋渡しをしたようにも個人的に思っています。93年のHooverとのスプリットEPが有名かもしれませんが、一部マニアのカルト的な人気に終わるのは惜しすぎるバンドだと思うのでこの編集でより多くの人に聴かれるチャンスが訪れたのは個人的にも嬉しい限りです。
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