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The Pine / st (LP)
¥4,700
カリフォルニア州ベーカーズフィールドのエモバンドの2002年にリリースされていた1stアルバムをGoing Under Ground Recordsが2025年にリマスターリイシュー。ザラついた生々しい質感とRoger Kingの独特のボーカルから生み出されるメランコリックなメロディ。シンプルな楽曲なんですが、ギターとベースの奥行きのあるコード感と疾走するリズムが組み合わさることで、一気に感情を揺さぶるものになっています。The Hatedや初期Husker Duに近い、コードとフレーズ、メロディでどうエモーショナルに聴かせるかというアイデアが詰まっているサウンドです。2000年代というエモの一部がオーバーグラウンド化し、変化した時代に、華美さを排した音質とスタイルで逆行していったという意味でも意味深い作品。
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Christie Front Drive / st (LP)
¥3,800
コロラドのエモバンドの1994年に当時Freewillからリリースされた6曲入りEPを2022年にDark Operativeが再びリイシュー。繊細で無骨、乾いた音が一瞬で広大なアメリカ中西部の夕暮れにつれていってくれる、現代に再現不可能なエモのオーパーツ。 言葉少なげなボーカルとひたすらにドラマチックな楽曲が共にゆっくりと進んでいき、悲しげなアルペジオから熱をおびてバーストしていく。歌わないパートこそがエモーショナルで心を揺さぶる、エモとしての核を担っているように思えます。MineralやJimmy Eat Worldなどと共に並べて語られることも多いですが同時代の90'sのエモバンドと比較してもあまりこのバランスはいないんじゃないでしょうか。強いて言えばBoys Lifeをポストハードコアやギターロックとしてやっているようなサウンド。繰り返しされるどこか不穏で悲しいリフレイン、特に"Pipe"のアウトロは強烈な寂寥感を感じさせられます。そして今作の中では疾走感のある"Dirt"で締め括られる様は映画のエンドロールのよう。今作の6曲が完璧なバランスで収まっている物語であり、誰しも持つ欠落や喪失に美しく語りかけてくるようなエモのマスターピース。
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Christie Front Drive / ST (LP)
¥4,000
SOLD OUT
コロラド州デンバーのエモバンドが1996年にCaulfield Recordsからリリースしていた1stアルバムをDark Operativeがリリース25周年を記念してリイシュー。 90年代のエモの中で輝きを放ち続ける不屈の名作。同時代のエモを語る上でMINERALやPenfoldなどと共に語られることが多い彼らですが個人的にはそれらの中で最も重要な意味を持つバンドだと思います。繊細な音がゆっくり積み重なり言葉数少なめな歌声が熱量を上げながらクライマックスへと向かう。彼らの音楽は素晴らしい映画を見ているような、音で情景が浮かぶノスタルジーとドラマチックで溢れています。聴き終わった後の余韻ですら美しいと感じさせてくれる彼らのサウンドは過ぎ去ってしまった日々の郷愁と孤独、痛々しさを思い起こさせてくれるエバーグリーンな作品です。ミルキークリアカラー盤。
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YAPHET KOTTO / Seems Our Situation Calls For Blood Loss (Lp)
¥4,800
SOLD OUT
カリフォルニアのハードコアバンドがリリースしたシングル、スプリット、コンピからのアルバム未収録曲を全て収録、未発表曲3曲も加え 全曲リマスターされた編集盤。Dead Broke RekerdsとRepeater Recordsによるスプリットリリースです。"ディスコード"や"エモーティヴ"側とはまた違った視点でのハードコアのエモーショナルさの極地といえるサウンド。ビリビリと痺れる緊張と全部燃やし尽くすような熱量、静と動のコントラストがひたすらに胸をうつ奇跡的なものだと思わされます。どこを切り取ってもハードコアでありエモであるドラマチックミュージックですね。個人的にJasmineの"Heritage"カヴァーで涙。バンド在籍時の写真やフライヤーが掲載されたインサート・ブックレットは当時の空気感そのまま。噛み締めて読みましょう。今となってはレコードで聴くのが難しい音源ばかりだったと思うのでリリースしてくれた2レーベルに大感謝です。
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INDIAN SUMMER / GIVING BIRTH TO THUNDER (LP)
¥4,500
2010年代に海外のエモ系ブログや掲示板で度々見かけた“リアルエモ“という言葉。リアルかフェイクかの論争は各々の見解に任せるとしてもIndian Summerは圧倒的にリアルなエモであることは間違いないように思えます。音を聴いた瞬間に崩れ落ちそうになる程の洗練されていない生々しいエネルギー、感情に訴えてくる怒りと悲しみに襲われます。そして、哀愁という言葉がチープに思えてくる程、渇き、枯れている。既存のハードコアからの脱却の過程で作り上げてしまった、ゆっくりとした展開からサッドなエネルギー溜め込んでいき暴力的なまでに放出する静と動のコントラストはそれまでにないものであり、エモのプロトタイプと言えます。初期衝動が故の限界値越えのエモーショナルに痺れあがります。1993年から1994年という僅かな活動期間を駆け抜け、数枚の7"やSplitをリリースした、活動形態すら美しい彼らの作品を網羅したディスコグラフィー。Numero Groupより。詳細なライナーノーツ、フライヤーを含む28ページのブックレット付き。この先も間違いなく必聴の一枚です。
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DAG NASTY / Can I Say (LP)
¥3,600
SOLD OUT
MINOR THREATのブライアンベイカーが結成したハードコアバンドが1986年にリリースした1stアルバム。プロデュースはイアンマッケイ。 アメリカンハードコアからD.Cのバンドがよりエモーショナルを追求していく中でMINOR THREATがSalada Daysで見せていたハードコアをよりエモーショナルに聴かせるアプローチの片鱗がこのバンドによって完全に花開いたように思えます。彼ら・ブライアンベイカーが持ち込んだのはハードロックの要素であり、多彩なアプローチのギターとボーカルDave(DYS、ALL)のメロディアスさは従来のハードコアになかった領域での感情表現を可能にしています。レボリューションサマーの流れを決定付けた作品であり、後続のディスコードサウンドから現代に続くメロディックの系譜まで与えた影響はあまりに大きいと言えます。
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Kill Holiday / Seasonal (LP)
¥4,500
サンディエゴのエモバンドの2024年にIndecision Recordsよりリリースされた初期音源集。今作を編集した結成メンバーのOscar Pazが在籍していた1995年にリリースしたMonitor Dependency"EP、1996年のDempseyとのSplit、1997年"Meant To Let You Down"EP(Meant To Let You Downは未収録)にデモ音源を加えた初期音源集。結成メンバーUnbrokenメンバーによるバンドという部分が強調されていますがI Wish I、Mean Season、Over My Dead Body、Juliaなどなどニュースクールハードコア、激情ラヴァーの琴線に触れまくるメンバー構成。そのバックグラウンドの期待通りのサウンドでハードコアの持つグルーヴとダークなエネルギーを内包したうえでのエモ。張り付くようなベタっとしたリズムとそこに気怠くもここぞのとこでギアを一気に上げて叫び歌うボーカル、かき鳴らされるロッキンなギターのアンサンブルは心撃ち抜かれます。1999年リリースのRevelationからの唯一のアルバムでは憑き物が落ちたような爽やかなUKロックを思わせるサウンドに振り切れるんですが、 この初期音源ではSunny Day Real Estate級とも言える部分が多々有りつつも、そうじゃない無骨でザラザラとした質感とパワフルさの塩梅はこの時しかない最高の瞬間が録音されてるなと思います。"See You Next Year"とかちょっと素晴らしすぎますね。Far Apart、Leiah、Shiftなど好きな人は絶対聴いて欲しい曲だらけです。
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Slow Fire Pistol / Demo & Moment of Crarity (LP)
¥3,800
アトランタの激情ハードコアバンドの2016年"Demo 2016"EPと"Moment of Crarity"EPを収録した、全7曲の編集盤12"。Disorder Vinylより2025年リリース。激しくカオティック、ハードコアのタフなダイナミズムを怒りと悲しみにのせたようなサウンドはOrchid、Neil PeryやFuneral Dinerなどがフラッシュバックしてくるよう。FoundationやCriminal Instinct、 Praiseのメンバーがいたりとハードコアあがりの人たちがやっている強靭さとグルーヴが確かにあり、そのタフなパートに加えての繊細でエモーショナルなパートのコントラスト、そこへのもっていき方が非常にドラマチックなサウンドだなと思います。凶暴さの中から溢れてくるメランコリックなメロディ、いそうであまりいないハードコアからの激情という感じで素晴らしいです。
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JAWBREAKER / Dear You (LP)
¥4,800
SOLD OUT
サンフランシスコのパンクバンドの1995年にGeffen Recordsよりリリースされた4thアルバムのGeffenリプレス盤。初のメジャーレーベルからのリリースにしてラストアルバムとなった今作。前作の3rdアルバムからメロディはより優しく洗練され、巨大でありつつひたすらに心地良いギターサウンドで構築される力強くも繊細でエモーショナルな楽曲。ボーカルBlakeのアーティスティックなソングライティングがより色濃く反映され、パンクでありロックの奥深い部分を表現しようとしているように思えます。"Accident Prone"なんかはそれが噛み合って生まれたとんでもない曲なのではないですかね。メジャーのサウンドならではのポップネスと彼ら本来のエモーショナルと哀愁が混じりあっていて、エモの文脈で語られるのも納得です。そんな塩梅の中"Bad Scene,Everyone's Fault"みたいな最強メロディックソングが入ってるのも最高。Jawbreakerというバンドをとり巻く内外の状況として活動の限界だった事実はありつつ、彼らの音楽の美しさが詰まった、その終わりに相応しいラストアルバムだと思います。
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Star 99 / Gaman (LP)
¥3,500
カリフォルニア・サンノゼの親友4人により結成されたパワーポップバンドの2025年2ndアルバム。Lauren Recordsよりリリース。喜びも悲しみも極上のポップネスで包みこみ、爽快感たっぷり届けられる全10曲。The MuffsからThe Get Up Kidsまでもが脳裏に浮かぶメロディメーカーの系譜。前作から引き続き2人のボーカルの掛け合いの感じなんかはLemuriaぽくもあるなと思うので、パワーポップからメロディックパンクが好きな人にも何かしら刺さるものがあるのではないでしょうか。楽曲の作り自体はシンプルでありつつ、前作と比べムーディな雰囲気の曲や打ち込みの曲があったり、アプローチの幅がグッと増え、インディロックとしてもより成熟している印象です。グッドメロディは今作も勿論溢れまくっているので、より多くの人に聴いて欲しくなる内容です。
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Star 99 / Bitch Unlimited (LP)
¥3,500
サンフランシスコ・サンノゼのパワーポップバンドの2023年1stアルバム。リリースはLauren Recordsより。2021、2022年にそれぞれ自主でリリースしていたEPの時点でただならぬ雰囲気があったのですが今アルバムでセンス爆発のとびきりのポップネスとピュアなエネルギーに溢れたパワーポップ・ポップパンクサウンド。1発で耳に刻まれるキャッチーで明るくもどこか切ない心くすぐられる1番欲しいグッドメロディ。2人のボーカルによるかけ合いもとても魅力的で、"South Second"なんかはLemuriaをめちゃくちゃ思い出してしまいました。Fastbacksなんかの90'sギターロックやSwearin'、Ratboysなどの10's系インディロック要素も多分にあるのでパンク、オルタナ好きな人も必聴系だと思います。
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Dogs On Acid / ST (LP)
¥3,600
インディエモバンドの2015年にJade Treeからリリースされていた唯一のアルバムを2025年、リリース10thアニバーサリーとしてLauren Recordsがリイシュー。Algernon Cadwallader、Snowingというエモリバイバルの流れの中心にいたバンドのメンバーにより結成。エモ、トゥインクル通過後のサウンドであり、インディ、エモ、パワーポップなど幅広いレンジで聴くことができる、切なくてポップでひたすらに心地よいサウンド。ジャングリーかつ美味しいところで美味しいギターがドライブする様は90'sのギターロックやオルタナティブロックをエモ通過後のフィルターでやったのかなと思います。トゥインクル要素はほぼ感じられないけど良いアルペジオがさらっとあったり、ヘヴィさを鮮やかさに変換したWEEZERという感じで、やっぱりどの曲のどこを切り取ってもキラーなメロディだらけで最高です。
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Algernon Cadwallader / Parrot Flies (LP)
¥3,500
フィラデルフィア産エモリヴァイバルバンドの2011年リリース2ndアルバムをLauren RecordsとAsian Man Recordsがリイシューしたものです。 今日まで続くエモリヴァイバルの流れを形作ったバンドといえるバンドです。ギターの複雑かつ美麗さ、シンガロングをせざるを得ない熱いボーカル、マスロックのような捻くれた曲構成とそれがキャッチーにまとめ上げられた楽曲達は音楽的センスに満ち溢れています。 2ndの今作も色濃くCap'n Jazzの遺伝子を受け継いでいますが、1stの牧歌的な感じからよりソリッドに爆発力が宿っています。 従来のエモでもマスロックでもないキラキラしているけどヒリヒリさせられっぱなしのエモの文脈を書き換えた一枚です。
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Algernon Cadwallader / Some Kind Of Cadwallader (LP)
¥3,500
フィラデルフィアのエモリバイバルバンドが2008年にリリースした1stアルバムのAsian Man Records、Lauren Recordsによるリイシュー盤。Cap'n Jazz直系といえる蒼くエモーショナルな楽曲であり、トゥインクルでメロディアスな響の可能性を突き詰めたパイオニア的サウンド。鮮やかで複雑な広がりのある各楽器のアンサンブルはAmerican Footballやマスロック、カントリーなどの影響下であるのでしょうが、それらの要素を内包しつつもオリジナリティ溢れる質感は彼らのセンスが故に成したものかもしれません。シンガロングパートでは牧歌的だけど燃え上がるような熱がありエモの前にパンクの核がちゃんとあるのを感じられます。後続に絶大な影響を与えた彼らですが、聴き直すと個人的には他を寄せ付けないくらい唯一無二です。
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Algernon Cadwallader / ST (LP)
¥3,500
フィラデルフィアのエモリバイバルバンドがリリースしてきた、2006年Demo EP、2009年EP、"Serial Killer Status"、"Katie's Conscious"のアンリリースドテイク、4way splitに加え、ビートルズの「This Boy」とエルヴィス・コステロの「No Action」のカヴァーを収録。どの音源も入手しずらくなっているので非常ありがたい内容の編集盤。Lauren RecordsとAsian Man Recordsより。個人的に2009年EPがベストエモーティヴトゥインクルで熱さもメロディも最高だと思ってるのでAlgernon好きなら必ず聴いて欲しい内容です。
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On The Might Of Princes / Where You Are and Where You Want to Be (LP)
¥3,300
SOLD OUT
ニューヨーク・ロングアイランドの伝説のエモ・ポストハードコアバンドの2001年リリース2ndアルバムのリイシュー盤。Dead Broke Rekerdsからです。音楽性はTexas Is The Reason、yaphet kotto、Engine Down等のバンドを思い起こさせますが、そのどれにもあてハマらない唯一無二のものとなっています。90's emoの延長線上ではありつつもハードコア由来の攻撃性は失っておらず、正しい意味でのポストハードコアを体現しているバンドだと思います。特に"And the Hat Stays Onは淡々しつつも悲痛な静パートからの感情むき出しの重厚な激パートへの畳み掛け方がドラマチックとしか言いようがないです。 寒々とした静寂と悲しい咆哮に胸をえぐられる作品。
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On The Might of Princes / Sirens (LP)
¥4,000
ロングアイランドのエモバンドの2003年にCDでRevelationからリリースされていた3rdアルバムを2023年Dead Brokeが初めてレコードでリイシュー。オリジナルのレコーディングエンジニアによるリミックス・リマスターがされています。冷たい狂気と怒り、悲しみが渦巻くエモ・ポストハードコア。複雑に、時に不協和音を出しながらもどこか心地よく絡み合う2本のギター、前作に続きジャンルに囚われないリズムパターンはよりダイナミックなものになっています。歌われるメロディはよりメロディアスかつストレートなものへ。今作はCave In、Isisなどで知られる、ボストンのNew Alliance Studioでレコーディングされたということも関係しているのかサウンドプロダクション、アレンジ面でも明らかに前作から数段先のステージに到達したクオリティであり、ほのかにエクストリームなヘヴィミュージックの雰囲気も漂います。静と動が入り乱れるカオスでありながらもしっかりとドラマチックに涙腺を刺激する楽曲はこれが彼らのラスト作となったことを考えると尚更儚いものに聴こえます。
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The Arrival Note / …Home Is So Far From Here (LP)
¥3,850
SOLD OUT
フロリダのエモバンドが2つのEPとスプリット7インチを経てリリースした2024年1stアルバム。これまでと同様にSunday Drive Recordsより。王道とも言えるようなメランコリックかつキャッチーで涙腺を刺激するようなエモーショナルなサウンド。全体としてビタっとした重心の低いバランスとほのかにリフの端々に漂うヘヴィネス、ハードコアから脈々と繋がる質感を内包している様はLate 90's~Early 00'sのElliottやTexas is The ReasonといったRevelation Emoの系譜を感じさせます。また、フロリダという土地に深く根付いているロック、メタルのパキっとしたパワフルさと哀愁がふんだんに出ていて、Further Seems ForeverやHot Water Music味もほんのりあります。あと個人的にフロリダじゃないですがエモに振り切ったPlanes Mistaken for Starsだなと思ったりもしました。純度100%の地下の音楽というよりはオーバーグラウンドに届きそうで届かないあの感じがしっかりあり味わい深いです。同郷のバンドGlazed、Postdromeのボーカルをフューチャリングした楽曲も複数収録されていて現行のフロリダシーンのハードコアとエモの距離感も包括したアルバムとなっています。
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WELLSAID / REGRETOPIA (LP)
¥3,680
香港のオルタナティブロックバンドが2024年にメンバーのレーベルであるUN TOMORROW、AIRHEAD RECORDSよりリリースした3rdアルバム。ザラザラとした質感から生まれるどことない不安定さ、その中で表現される楽曲はキャッチーでありながらも漠然とした寂寥感に溢れたサウンド。作品毎に音楽性を変化させてきていましたが、今作では元々あったトゥインクルエモの要素はなくなり、ポストハードコアやオルタナティヴロックの源流からの影響が色濃くなっています。シンプルになりつつより幅が広がっている印象で、枯れた質感はKarateやSlint、オルタティヴでポップなアプローチはBuilt to spillなどといったバンドが思い浮かびました。A面3曲目"The Abattoir"は個人的に特に気に入っていてレボリューションサマー彷彿のリフとボーカルを主軸にしつつギターソロがあったり最後の激情チックな締め方までが上手くまとまっていて、面白くてしっかりカッコ良い。この作品内にある多様な要素が凝縮された一曲かなと思います。ラストの"Ein"のキャッチーなコーラスのままのフェードアウトはエモもポストハードコアも突き抜けていく感じが気持ち良く爽快。90'sから現在までにある雑多性をオルタナティヴなロックとして昇華している作品になっています。 https://sweatyandcramped.bandcamp.com/album/regretopia
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Iron chic / THE CONSTANT ONE (LP)
¥4,000
SOLD OUT
ニューヨークのパンクバンドが2013年にBridge Nine Recordsよりリリースした2ndアルバム。6thプレス盤となります。汗と熱気、極上のメロディが醸成されたメロディックパンクサウンド。各楽器とボーカルが作り出す彩りあるメロディが太く重なり、それがクリアに響く音像は暖かく優しい。シンプルでパワフルな部分とギターのエモよろしくなフレーズのコントラストもよりサウンドに奥深さを与えていて見事です。Latterman、Get Bent、Small Arms Dealerといった東海岸メロディックのメンバーが集まったという期待は2ndアルバムでも裏切られず、それらのバンドをより成熟させていった印象です。若者には出せない哀愁と熱量。Iron Chicのフォロワーバンドも多くいた中、オリジナルの貫禄を見せつけてくれた10年代メロディックサウンドの最終形態なのではないでようか。今作には同時期に活動していた、こちらもベストメロディックパンクバンドRVIVRのボーカルEricaがゲストボーカルで参加しているというのも心躍ります。汗と熱気が溢れるベースメントショウがそのまま包み込まれたようで、リリースされてからの10年以上の月日に全く左右されないクラシックと言って良い作品だと思います。
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JOSHUA / NASCENT (LP)
¥4,300
SOLD OUT
ニューヨークのエモバンドの1996年にImmigrant Sun RecordsからCDでリリースされたデビューEPが、活動再開に際してリマスターされ初めてレコード化。本作「Nascent」は、1995年のデモ「Today We Flew Our Balloons」からの未発表曲と、1999年にDoghouse Recordsからリリースされたデビュー・アルバム「A Whole New Theory」からの2曲を再レコーディングした内容となっています。DLコード付き。メランコリックで繊細なメロディとハードコアからの影響を感じさせるダイナミックな展開とリフが結びついている90's Emo。徐々にインディ色が強くなっていった印象だったのですが、今作収録曲は時代的なものなのかかなりニュースクールハードコアの要素を感じるサウンドで、ヘヴィでネチネチした質感はShiftやBy a Threadなどといったバンドが思い浮かびます。伸びやかなボーカルは蒼さとサッドさ、キャッチーさを兼ね備えていて楽曲とのバランスは90'sという時期のエモの魅力を余すことなく出しているものとなっています。
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HAMMERED HULLS / CAREENING (LP)
¥3,300
SOLD OUT
昨年の素晴らしかったジャパンツアーの記憶も新しい、Faith、Make-Up、Ted Leo、Wild Flagなどなど書ききれないD.C、Dischordの歴史とも言えるメンバーにより結成されたポストハードコアバンドの2022年にリリースした1stアルバム。Ian MacKayeプロデュースの元、Inner Ear Studioでレコーディング・ミックスされ、Dischordよりリリースという鉄壁の布陣。年齢を重ねたからこそ出せるハードコアのエモーショナルな要素が凝縮されたような音楽性。10代の速さではないが、パワフルでアグレッシブな楽曲にボーカルがのった瞬間に一気に燃えたぎる熱量もパンパンに感じます。そして、同時にFUGAZIやHooverといったバンドの溜めて溜めてのヒリヒリ感もあり、めちゃくちゃ痺れる。ハードコア一辺倒の音楽性では決してなく、ポストハードコア、パンク、ガレージ、ポストロック、アートロックなどメンバーそれぞれのバックグランドや興味によって作られているように思えます。革新的な意欲とは違う、D.Cの音楽とそこから連なっていった音楽をあくまで自然に昇華している部分に懐古ではない瑞々しさがあって、だからこそ何度も聴いてしまう。速さとグルーヴ、緊張と弛緩、実験性と王道が全て詰まった名盤です。
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ONE LAST WISH / 1986 (LP)
¥3,300
SOLD OUT
レボリューションサマーの到達点にして原点。D.Cの若者達による蒼くきらめく永遠のマスターピース。RITES OF SPRINGとEMBRACEのメンバーによって1986年に半年間だけ活動したエモーショナルハードコアバンドが残した唯一の単独音源。プロデュースしたイアンマッケイとメンバーそれぞれが経験したバンドから蓄積されたハードコアをいかにエモーショナルに進化させるか、ということが完全に結実した内容です。メロディアスなギターとベース(ベースラインは"Loss Like a Seed"、"Shadow"など聴くと特に重要な役割を果たしていると思います)、多彩なドラム展開。DAGNASTYがハードロック要素を大きく取り入れたのに対して、彼らはポストパンクを始めより様々な音楽的バックグラウンドを持ってこのサウンドを作り上げているように思えます。メランコリックな「エモ」ではない熱いエモーショナルがほとばしる
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Iron Chic / Not Like This (LP)
¥3,600
ロングアイランドのメロディックパンクバンドが2010年にリリースした記念すべき1stアルバム。リリースはベースであるMike Brunoが運営するグッドDIYレーベルDead Broke Rekerdsからの10thプレス盤。10年代における東海岸系のメロディックパンクの方向性を確固たるものにしたまさにクラシックと言える作品。思わず拳をあげ大声で歌ってしまうようなシンガロング&エモーショナルなグッドメロディ。各楽器のアンサンブルはタイトで分厚く、切なくも熱量のあるボーカルはLattermanの遺伝子を確実に受け継ぎながらもその音楽性により深みを持たせています。パッション剥き出しというよりは一周した人たちの円熟味と哀愁系。元LattermanであるPhil Douglasの繊細で胸に染み込んでくるようなフレーズはエモの要素を感じさせつつもそれを暖かなサウンドとして表現しているさすがの技だなと思います。残念ながら今作リリース時には既に脱退していた同じく元 LattermanのBrian Crozier在籍時の曲"In One Ear"や"Timecop"も収録されています。アルバム全体のバランスとしても緩やかに、しっかりと起伏に富んだ間違いない内容となっています。
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