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Undermark / 5 songs st (CD)
¥1,200
2024年、Soul Ameria Recordsがリリースする名古屋のハードコアバンドの5曲入りEP。Post Marked Stamps #1 にて90's節たっぷりのエモーティヴハードコアを聴かせてくれていましたが、今作はそこから激情ハードコアの色合いが強くなっている印象です。全体としての音質がクリアでスタイリッシュに感じてモダンなサウンドなんですが、メロディアスでメランコリックなアルペジオと硬質なリズムが絡み合ってる質感はFuneral Dinnerなんかの2000年半ばのバンドぽかったり、コード進行とボーカルはちょっとStonehenge周辺のフレンチエモーティヴぽかったり、要所に挟まれるメタリックネチネチなリフはSplit LipやShoulderを彷彿とさせたりと血肉となったハードコア、エモのルーツが混ざり合っているんだなと感じました。"This Place"のラスト30秒のベースラインとアルペジオに全部詰まっていてめちゃくちゃ痺れます。
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Serotonin Mist / Sanity & Deli Foods (CD)
¥500
SOLD OUT
東京の激情・エモバイオレンスバンドの1st Demo CD-R。Bandcampにて公開されていた2曲のオリジナルミックスバージョンに未公開の1曲を加えたファスト&ショート、エモーショナルな3曲。生き急ぐような性急なファストパート、畳み掛けるNotマッチョなメタリックニュースクールパート、枯れたアルペジオ。怒りの中の悲しみがダイレクトに伝わるサウンドはPg99からYou and I、Yage、最終的にUNBROKENまでが脳裏をよぎり熱くさせられます。現段階ではいろいろな要素を感じられるのでこのデモからどのようになっていくのかという点でも非常に楽しみな音楽性です。また、差別、貧困、戦争、労働、資本主義、常態化してしまっている不条理に真正面から怒りをぶつける歌詞はストレートでありつつしっかりフックの効いたスタイル。外側だけ模倣したパッケージじゃない、ハードコアのマインドとアクションの部分をしっかりと体現してくれていることを嬉しく思います。 https://serotoninmist.bandcamp.com/album/sanity-deli-foods-demo-2024
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BURIAL ETIQUETTE & UNDERMARK / Post Marked Stamps #1 (CD)
¥880
カナダと名古屋が邂逅するエモ・ハードコアSplit。リリースは再始動したSoul Ameria Recordsより。カナダBURIAL ETIQUETTEは透き通るメロディと絞り出すスクリーム、時代を超えてきたかのような未完成さがエモとして完璧。特に“Suspension In Timelapse"の疾走感溢れる前半、原理主義的な叫びを聴かせる中盤、現代的な壮大さでたたみかける後半と、90年代から懐古主義をぶち抜いた最先端。RAINER MARIAというよりはEldrich AnisetteやTeenage Love Affairのようなユーロの歴史の片隅に残された、いなたくも真に迫るエモーショナルがあると思います。 名古屋UNDERMARKは90年代の地下で蠢き燃えていた“あの“ハードコア。SPLIT LIP、SHOULDER、そしてDIGNITY FOR ALLのような熱くドラマチックなエモーティヴハードコアです。アルペジオや途中のスクリームにはモダンな激情の要素がありスタイリッシュさもあります。全編素晴らしいのですが特に"DRIFTER"の2:23~のリフからの展開はめちゃくちゃエモーティヴハードコアだと拳を握ってしまいましたし、ちゃんと現代のものとしてアップデートされていて個人的に大興奮でした。やり尽くされた90'sリヴァイバルよりも今世界的に必要なのはこの音だと思います。 両バンドのサウンドやジャケットからも感じられるのはアイデアとD.I.Y、そこから作り出される確かな実在感。それが今真新しい輝きを放っています。
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Biliardo & Pyre / Post Marked Stamps #4 (CD)
¥1,100
SOLD OUT
再始動したSoul Ameria RecordsよりリリースされるスプリットシリーズPost Marked Stamps、日米のスクリーモが交錯する第4弾。 東京のBiliardoは蒼く悲痛な叫びが響き、サッドなアンサンブルが激しく、時に叙情的に変化していく激情ハードコア。envyなどが根底にある日本の激情ハードコアの系譜でありつつ、スポークンワード、疾走パート、ヘヴィなリフなどバラエティに富んだフレーズとアイデアが多く散りばめられています。彼らの激情というスタイルに込められた情報量の多さは現代的であり東京的な雑多性を持っているなと思います。今作が初音源ということですが叙情性という面を追求したジャパニーズスタイル激情の最新版になっていくのではないかと言う期待を抱かせる3曲を収録。 フィラデルフィアのPyreは一瞬の枯れたきらめきが眩しいスクリーモ。2000年代前半の激情や近年のskramzの要素もちらつくバーストな展開とメランコリックなアルペジオ、絞り出すような叫びが作り出す寂寥感が堪らないです。メロディを歌っている部分もめちゃくちゃ良くて、そこだけ7“を2枚だけリリースして解散系の90'sのエモ。全編エモパートだけで聴いてみたくなるほど良いなと思います。叫びと歌、激しさと侘しさのコントラストから生み出されるエモーショナル。
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不夜城 / Placenta (CD)
¥1,100
東京の激情ハードコアの新星、不夜城による5曲入り1st EP。日本の激情らしい、叙情とも言い換えることができるオールドスクールな侘び寂びとスケールの大きさを感じさせるドラマチックな展開・フレーズが飛び交う内容。Deathwishリリースのバンドを彷彿とさせるカチッとしたクオリティがサウンドプロダクションと楽曲の端々にあり、情報が詰まった質感はポストブラックメタルや近年のシューゲイザーの影響下としても作り上げられたサウンドだと思います。楽曲、作品を通してめちゃくちゃ聴きやすく、トータルでとてもキャッチーな仕上がりになっているのもその辺りの要素が関係しているのかなと。また、個人的に特にギターのフレーズに感じたのですが、リフやリードフレーズにロックの要素があり、激情以外の要素がスケール感を大きくしていると感じました。モダンという言葉がしっくりくるスタイリッシュなサウンドはアンダーグラウンドだけじゃない様々なシーンでの活躍が想像させられます。
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Fiddlehead / Death Is Nothing To Us (CD)
¥2,200
※こちらは海外盤になります。 Have Heart、Verse、Basement等の2000年代から2010年半ばまで活躍したハードコアバンド、エモバンドを中心としたメンバーにより結成された、ポストハードコア・インディーロックバンドの2023年リリースの3rdアルバム。Run For Cover Recordsより。百戦錬磨の5人のグルーヴから生み出される、“ハードコア通過後“としか形容できない独特のうねり。エネルギッシュでありつつ彼らの過ごしてきた時間も確かに感じさせる哀愁。革新的目新しさに溢れているサウンドではないはずなのに何故こんなに瑞々しく、またエモーショナルに響くのでしょうか。前作からの完全な延長線上でありつつ、より渋い方向へ向かった気がします。このバンドの心臓と言えるドラムShawnの入魂のスネアとフロアタムさばきに燃え上がり、深みのサッドギターに胸を締め付けられ、ボーカルPatの無骨ながらもメロディアスに歌い上げるパートに涙腺を刺激されます。Dischordのバンドを想起させるようなサウンドではありますが、Fiddleheadは根底にあるセンスがモダンなバンドで、現行のインディロックとも親和性が高いです。なのでRun For Coverからリリースしてきているのも凄く納得できます。もちろんハードコアへのリスペクトと愛は今なお深く、Angel Du$t、Trapped Under IceボーカルのJusticeを迎えた"True Hardcore(Ⅱ)"で、自分達のハードコアの意味と思いを歌っています。現代におけるエモとポストハードコアの形を追求する洗練された作品。
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Academy Fight Song / Early Days (CD)
¥1,500
SOLD OUT
RUMTAG、タイガンなど様々なバンドでで活動しているeiji morodomiとStrange Over The Sun、Centerhitsなどで活動していたgivegiveとkabacにより2021年に福岡にて結成。2022-2023でリリースされ完売していた3本のカセットテープをまとめ新曲を追加したCDがKültti kasettiよりリリース。巨大な音像のギター、緊張感とうねりを生み出すベース、動物的と言って良いドラムが全てを躍動させ、刺すようなボーカルと沁み入るボーカルが対になり作り出す圧倒的な存在感。ハードコアやポストハードコアを通過した上でのギターロック、オルタナティブロック。D.Cの実験性からサンディエゴの狂った質感、いくらでも難解になるところをHusker Duの歌ごころが熱さと哀愁の境地へ連れて行ってくれます。また、エッジの聴いたリフと曲として普遍的な良さを持つ部分が両立しているのはJAWBOX、Burning AirlineでありJ. Robbinsの遺伝子も感じるところです。合間に挟まれるゆったりとした「KANATA」「NANSEI」は暖かな印象でポップスとして通用するようなキャッチーで柔らかなメロディを自然に歌っていています。凝り固まった肩肘を一気に解きほぐしてくれるような普遍的な良さに溢れ、少しスケールの大きさを感じさせながらもあくまでAcademy Fight Songの曲。ここに彼らのソングライティングの真髄があるように思えます。パンクとハードコア、ポストハードコア、ポストパンク、グランジ、80年代にあったぼんやりとあったはずのオルタナティブを今、新たに作り始めている彼らのこの1年が余すことなく詰まった作品です。
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MEIAN / 遠ざかる (CD)
¥1,320
岩手の激情ハードコアが2023年にリリースした4曲入りEP。本作と同時にEPをリリースしたcold winterと共にNorthern Sadness Productionより。神経質そうに絡み合う各楽器のアンサンブル、悲しく響き渡る絶叫、ヒリヒリとした緊張感と言いしれぬ感情が伝わってくる激情ハードコア。エクストリームやバカテクではない、ある意味地に足のついているピュアな激情をやっているなと感じさせてくれるサウンドです。ヨーロッパのバンドにあるようなシャープでメランコリックなメロディアスさがある質感が出ていて、Daitro、Mihai Edrischのような2000年代のヨーロッパの激情に近い音を出していると思います。個人的に"Velocity I"の中盤からのバースト後の枯れたパートが凄く好きで曇った寒空の空気がもろに出ています。スポークンワードの危ういバランスもありつつ全体としては繊細かつ強固にまとめられたハイクオリティな楽曲が収録された作品となっています。 https://northernsadnessproductions.bandcamp.com/album/-
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cold winter / 『人間といえば?』『愚か!』『ですが…』 (CD)
¥1,320
2022年結成の岩手のハードコアバンドの1st EPを本リリースを機にメンバーにより立ち上げられたNorthern Sadness Productionがリリース。ダウンチューニングしたヘヴィなリフ、ツーバス、サッドなアルペジオ、寒々とした抒情性と哀愁が乗るメタリックハードコア。90'sのニュースクールハードコア直径というよりはそれらをバックグラウンドにしつつメタルのキャッチーさをより現代的にスタイリッシュに昇華させているという印象です。ただ、かなり抒情的なハードコアでもあり、(自分は世代なので)More Than Lifeがサウンドの近いバンドとして一番に思い浮かびましたが、モッシュパートやシンガロングみたいな分かり易い部分は意外となくて、曲のコードの組み立て方なんかからサッドでキャッチーという部分を際立たせているんだなと感じました。コードワークにエッヂが効いてます。また、ギターワークに関していうと結構エモっぽいなとも思っていて、チューニングこそ下げていますが90'sのDeep ElmリリースのThe Appleseed CastやPlanes Mistaken For Starsのエモに通じる部分があるのかなと、かなり勝手に想像しています。タフガイ、激情、エモと文脈もありつつ、どれにも回収されない北国のハードコア。 https://wearecoldwinter.bandcamp.com/album/-
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HOLY SHIT! / Had A Couple More Good Songs (CD)
¥1,100
ウィスコンシン州ミルウォーキーのハードコアバンドが本年3月の日本ツアーに併せて2009年以降のリリース音源から最新7インチ “Used Punk”収録曲までの78曲完全収録したコンプリートCDをSnuffy Smilesがリリース。速く短くストレンジでレイジングなこれぞアメリカンハードコアなサウンドを作り続けている彼ら。全曲ほぼ1分未満という曲の短さの中を爆速で走り抜けつつも捻くれた一筋縄では決していかないフレーズや展開はBlack FlagやDie Kreuzenといっあ80'sのSSTやTouch And Goのハードコアの息吹を感じさせてくれます。3/13からジャパンツアーが始まりますのでアンダーグラウンドを破壊的に駆け抜ける彼らのライブを是非。
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