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HAMMERED HULLS / CAREENING (LP)
¥3,300
昨年の素晴らしかったジャパンツアーの記憶も新しい、Faith、Make-Up、Ted Leo、Wild Flagなどなど書ききれないD.C、Dischordの歴史とも言えるメンバーにより結成されたポストハードコアバンドの2022年にリリースした1stアルバム。Ian MacKayeプロデュースの元、Inner Ear Studioでレコーディング・ミックスされ、Dischordよりリリースという鉄壁の布陣。年齢を重ねたからこそ出せるハードコアのエモーショナルな要素が凝縮されたような音楽性。10代の速さではないが、パワフルでアグレッシブな楽曲にボーカルがのった瞬間に一気に燃えたぎる熱量もパンパンに感じます。そして、同時にFUGAZIやHooverといったバンドの溜めて溜めてのヒリヒリ感もあり、めちゃくちゃ痺れる。ハードコア一辺倒の音楽性では決してなく、ポストハードコア、パンク、ガレージ、ポストロック、アートロックなどメンバーそれぞれのバックグランドや興味によって作られているように思えます。革新的な意欲とは違う、D.Cの音楽とそこから連なっていった音楽をあくまで自然に昇華している部分に懐古ではない瑞々しさがあって、だからこそ何度も聴いてしまう。速さとグルーヴ、緊張と弛緩、実験性と王道が全て詰まった名盤です。
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ONE LAST WISH / 1986 (LP)
¥3,300
SOLD OUT
レボリューションサマーの到達点にして原点。D.Cの若者達による蒼くきらめく永遠のマスターピース。RITES OF SPRINGとEMBRACEのメンバーによって1986年に半年間だけ活動したエモーショナルハードコアバンドが残した唯一の単独音源。プロデュースしたイアンマッケイとメンバーそれぞれが経験したバンドから蓄積されたハードコアをいかにエモーショナルに進化させるか、ということが完全に結実した内容です。メロディアスなギターとベース(ベースラインは"Loss Like a Seed"、"Shadow"など聴くと特に重要な役割を果たしていると思います)、多彩なドラム展開。DAGNASTYがハードロック要素を大きく取り入れたのに対して、彼らはポストパンクを始めより様々な音楽的バックグラウンドを持ってこのサウンドを作り上げているように思えます。メランコリックな「エモ」ではない熱いエモーショナルがほとばしる
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KLONNS / HEAVEN (LP)
¥3,300
NEW WAVE OF JAPANESE HARDCOREを標榜する東京のハードコアバンドの1stアルバム。東京のBLACK HOLEとシアトルのIRON LUNG RECORDSによる共同リリース。情念と怒りを叩きつけるボーカル、キラー過ぎるギターリフ、おどろおどろしくうねるベース、タイトなビートと暴力的にまでダンサブルなドラム。それらのアンサンブルが作りだす彼らのダークでカルトな世界観。ジャパニーズハードコアからの影響をビンビンに感じさせるレイジングなコード進行の疾走感に加えて、踊るということに特にフォーカスした楽曲は徹頭徹尾タフでありグルーヴィな要素に溢れています。原始的なダンスへの渇望を否が応でも呼び起こさるサウンドは10年代のRAW HARDCOREからRIVAL MOBなどのLOCKIN' OUT系、現行ならTHE FLEXも思い浮かぶ、ハードコアでありしっかりダンスミュージックです。パンク/ハードコアシーンだけでなく、テクノ、実験音楽、インダストリアル/ノイズ、ヒップホップなど、多様なシーンからのアーティストがゲスト参加しており、KLONNSのこれまでの活動が凝縮された内容となっています。
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On The Might of Princes / Sirens (LP)
¥4,000
ロングアイランドのエモバンドの2003年にCDでRevelationからリリースされていた3rdアルバムを2023年Dead Brokeが初めてレコードでリイシュー。オリジナルのレコーディングエンジニアによるリミックス・リマスターがされています。冷たい狂気と怒り、悲しみが渦巻くエモ・ポストハードコア。複雑に、時に不協和音を出しながらもどこか心地よく絡み合う2本のギター、前作に続きジャンルに囚われないリズムパターンはよりダイナミックなものになっています。歌われるメロディはよりメロディアスかつストレートなものへ。今作はCave In、Isisなどで知られる、ボストンのNew Alliance Studioでレコーディングされたということも関係しているのかサウンドプロダクション、アレンジ面でも明らかに前作から数段先のステージに到達したクオリティであり、ほのかにエクストリームなヘヴィミュージックの雰囲気も漂います。静と動が入り乱れるカオスでありながらもしっかりとドラマチックに涙腺を刺激する楽曲はこれが彼らのラスト作となったことを考えると尚更儚いものに聴こえます。
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Circles / Still. (LP)
¥3,400
SOLD OUT
フランス・ナントのエモーティヴハードコアバンドがShield RecordingsとExtinction Burstよりリリースした1stアルバム。2017年から活動を始め、これまで3枚のEPをリリースしてきた彼らの満を持しての12曲入りフルアルバムとなります。メロディアスでディスコーダントなコード進行、Minor Threatを思い浮かべる爽快なかっ飛ばしパート、メロディアスさをより追求したエモーショナルなギター。Dag NastyやEmbraceなどといったバンドの影響下のサウンドであるのは明白ですが、ストップ&ゴーやブレイクパート、ギリギリ歌い上げないラインのボーカル("Lung"では最後にド級のメロディを歌いげてますが)はUniform Choiceぽかったりして、その辺り要素をモダンに昇華させたポストレボリューションサマーと言える質感に仕上がっています。近年で一番近いものを感じたバンドはPraise。速い曲も素晴らしいけどミドルテンポの“Waves”でのアンサンブルとポップネスははち切れんばかりに良かった。ハードコアなんだけどその枠でたくさんのアプローチがされていて、聴いていて熱くなると同時にこのアルバムのジャケットのような鮮やかなイメージがそのまま湧いてくるポジティヴなエネルギーに満ちた作品となっています。
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Loma Prieta / Last (LP)
¥3,800
SOLD OUT
カリフォルニア・サンフランシスコの激情ハードコア、ポストハードコアバンドの2023年最新作。Deathwishよりリリース。激情ハードコアの持つダークで暴力的な魅力は内包しつつ、メロディアスかつ多様なアプローチとソングライティングがポジティヴな方向へと向かうエネルギーを感じさせる。初期のピュアな激情サウンドから徐々に変化を続けていましたが、ネクストレベルを感じさせるアーティスティックな広がりのあるサウンドへと進化した内容であると言えます。音楽性に加えて楽曲面のトータルでのクオリティの高さもガッチリとフィットしていて、どこか高尚さとハイプさが漂っているのは各自好みの分かれるところかもしれませんが、やっぱり一つ一つの曲が抜群に良い。近年のFiddleheadやHigh Visなどが行っていたハードコアをオルタナティヴな解釈で再構築するという行為を、彼らも激情ハードコアという枠組みの中で実践した作品であると思います。現行のハードコア影響下の音楽がどのような方向に向かっているかということを彼らの視点で教えてくれています。アルバムトータルでの一貫性もしっかりと確立されているので是非アルバム通しで聴いてください。
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MESS / Under Attack (LP)
¥3,200
SOLD OUT
これまで2枚の12“EPと7"、The ChiselとのSplitなどで話題をさらってきたメキシコのパンクバンドMESSの待望のフルアルバム。リリースはMENDEKU DISKAK。シンプルでタイトな演奏、パワフルかつキャッチーなコーラスワーク。BlitzからUK82あたりのバンドが発散していたパンクやOi!の持つ魅力がこれでもかと詰め込まれた素晴らしい内容。シンプルながらもエッヂの効いたギターのコードワークと男くささ全開のメロディもジャストフィットしていて全14曲を通してかなりクラシックなサウンドに到達していると思います。現行フレンチパンク好きな人も是非。
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Native Nod / This Can't Exist (LP)
¥3,400
SOLD OUT
ニュージャージーのエモ・ポストハードコアバンドがGern Blandsten Recordsより1992年〜1995年の間にリリースした3枚の7"を収録した編集盤をNumero Groupが初のLPでリリース。ライナーノーツ、当時の写真やフライヤーなど掲載されたブックレット付き。ダークで実験的、時折一気に燃え上がるようなエモーショナルなサウンド。DischordやEbullitionのポストハードコアとはまた違ったアプローチを行っており、ダークな部分はIndian Summerなどのプロトタイプエモ・激情に近しい部分を感じます。また、ネチネチした部分はNew Ageのハードコアバンドからタフさを取り払ったような質感でエモーティヴハードコアにも通じるところも面白いところです。Native Nodは後にThe Van PeltをやるChris Leoがメンバーということでもフォーカスされますが、今作の楽曲の中にもThe Van Peltへと受け継がれたであろうクリーンな不穏さとでも言うような、独特のスタイルが既に随所散りばめられています。ハードコア、ポストハードコア、エモが地続きな時代が故に生まれ、各地に共鳴した、この時代のマイルストーン的作品となっています。
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INDIAN SUMMER / GIVING BIRTH TO THUNDER (LP)
¥3,400
SOLD OUT
2010年代に海外のエモ系ブログや掲示板で度々見かけた“リアルエモ“という言葉。リアルかフェイクかの論争は各々の見解に任せるとしてもIndian Summerは圧倒的にリアルなエモであることは間違いないように思えます。音を聴いた瞬間に崩れ落ちそうになる程の洗練されていない生々しいエネルギー、感情に訴えてくる怒りと悲しみに襲われます。そして、哀愁という言葉がチープに思えてくる程、渇き、枯れている。既存のハードコアからの脱却の過程で作り上げてしまった、ゆっくりとした展開からサッドなエネルギー溜め込んでいき暴力的なまでに放出する静と動のコントラストはそれまでにないものであり、エモのプロトタイプと言えます。初期衝動が故の限界値越えのエモーショナルに痺れあがります。1993年から1994年という僅かな活動期間を駆け抜け、数枚の7"やSplitをリリースした、活動形態すら美しい彼らの作品を網羅したディスコグラフィー。Numero Groupより。詳細なライナーノーツ、フライヤーを含む28ページのブックレット付き。この先も間違いなく必聴の一枚です。
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LINCOLN / Repair and Reward (LP)
¥3,400
SOLD OUT
1992年結成のウィスコンシン州モーガンタウンのポストハードコア/エモバンドのリリースした3枚の7インチに収録されていた7曲と未発表曲1曲を加えた全8曲の編集盤が2022年にTemporary Residence Limitedよりリリース。全曲J.Robbinsによるリマスタリングです。せまり寄ってくる不穏さと苛烈とも言えるエネルギーが飛散するハードコアでありエモ。ハードコアとエモの境界線が極めて曖昧であり、地続きであったIndian SummerやEmbassyなどのバンドと同じものを感じることができるリアルエモと呼ぶのに相応しいサウンドです。緊張と爆発を繰り返す楽曲に沸騰するような興奮を覚え、歌われる切なく生々しい叫びは胸をどうしようもなくうちます。レヴォリューションサマーから世界中に拡散されたエモーショナルの遺伝子が本流とは少し違った形で芽吹いたのが90年代前半、その一群の中でも歴史の隙間で消えない強さをどの曲にも感じることができます。またメロディや歌い回しは後々のYaphet Kottoや1000 Travels Of Jawaharlalなどへの橋渡しをしたようにも個人的に思っています。93年のHooverとのスプリットEPが有名かもしれませんが、一部マニアのカルト的な人気に終わるのは惜しすぎるバンドだと思うのでこの編集でより多くの人に聴かれるチャンスが訪れたのは個人的にも嬉しい限りです。
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The Hated / Best Piece of Shit (2LP)
¥4,000
SOLD OUT
メリーランド・アナポリスのハードコアバンドがリリースした音源・未発表曲をまとめた編集盤。1985年にテープでリリースされた1stアルバム"The Best Piece Of Shit Vol. 3"、No More We Cry EPにコンピ収録曲と未発表曲の14曲を加えてリマスタリングした全25曲2LP。GephardtとKen Shipleyによるバンドとシーンに関する長いエッセイと、バンドのアーカイブからの数十枚の写真も付属しています。Numero Groupによる再発・発掘プロジェクト全5回のうちの第1弾です。 アーリーエモやポストハードコアとしての印象が強い彼らですが今作に収録されている楽曲は80'sアメリカンハードコアの速い・軽い・キャッチーという要素を全面に出しながらも後のエモ・ポストハードコアとしての彼らの音楽性へと繋がる片鱗が散りばめられたサウンド。ちょっとタイプは違いますがバラエティの豊かさと奥深さという意味ではSCREAMが思い浮かびますが、とりあえずシンプルにめちゃくちゃカッコ良いです。初期のHusker Duのようなノイジーなギターから繰り出されるドラマチックなギターとレボリューションサマー前夜の知的なメロディラインのベース、軽快に歌うように叩くドラム、ボーカルは曲によってはかなりメロディックに近いアプローチをしていています。良いメロディを追求し、取り入れることでハードコアのエモーショナル性をより引き出そうとしたのは後のレボリューションサマーの流れに繋がってきますし、この時期のD.Cのバンドと比較しても抜群にメロディが良いです。奇しくも今作収録の1stアルバムとRites of Springの1stアルバムが同年に出ているのは運命的なものを感じます。
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Fiddlehead / Death Is Nothing To Us (LP)
¥3,700
Have Heart、Verse、Basement等の2000年代から2010年半ばまで活躍したハードコアバンド、エモバンドを中心としたメンバーにより結成された、ポストハードコア・インディーロックバンドの2023年リリースの3rdアルバム。Run For Cover Recordsより。百戦錬磨の5人のグルーヴから生み出される、“ハードコア通過後“としか形容できない独特のうねり。エネルギッシュでありつつ彼らの過ごしてきた時間も確かに感じさせる哀愁。革新的目新しさに溢れているサウンドではないはずなのに何故こんなに瑞々しく、またエモーショナルに響くのでしょうか。前作からの完全な延長線上でありつつ、より渋い方向へ向かった気がします。このバンドの心臓と言えるドラムShawnの入魂のスネアとフロアタムさばきに燃え上がり、深みのサッドギターに胸を締め付けられ、ボーカルPatの無骨ながらもメロディアスに歌い上げるパートに涙腺を刺激されます。Dischordのバンドを想起させるようなサウンドではありますが、Fiddleheadは根底にあるセンスがモダンなバンドで、現行のインディロックとも親和性が高いです。なのでRun For Coverからリリースしてきているのも凄く納得できます。もちろんハードコアへのリスペクトと愛は今なお深く、Angel Du$t、Trapped Under IceボーカルのJusticeを迎えた"True Hardcore(Ⅱ)"で、自分達のハードコアの意味と思いを歌っています。現代におけるエモとポストハードコアの形を追求する洗練された作品。
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Fiddlehead / Death Is Nothing To Us (CD)
¥2,200
※こちらは海外盤になります。 Have Heart、Verse、Basement等の2000年代から2010年半ばまで活躍したハードコアバンド、エモバンドを中心としたメンバーにより結成された、ポストハードコア・インディーロックバンドの2023年リリースの3rdアルバム。Run For Cover Recordsより。百戦錬磨の5人のグルーヴから生み出される、“ハードコア通過後“としか形容できない独特のうねり。エネルギッシュでありつつ彼らの過ごしてきた時間も確かに感じさせる哀愁。革新的目新しさに溢れているサウンドではないはずなのに何故こんなに瑞々しく、またエモーショナルに響くのでしょうか。前作からの完全な延長線上でありつつ、より渋い方向へ向かった気がします。このバンドの心臓と言えるドラムShawnの入魂のスネアとフロアタムさばきに燃え上がり、深みのサッドギターに胸を締め付けられ、ボーカルPatの無骨ながらもメロディアスに歌い上げるパートに涙腺を刺激されます。Dischordのバンドを想起させるようなサウンドではありますが、Fiddleheadは根底にあるセンスがモダンなバンドで、現行のインディロックとも親和性が高いです。なのでRun For Coverからリリースしてきているのも凄く納得できます。もちろんハードコアへのリスペクトと愛は今なお深く、Angel Du$t、Trapped Under IceボーカルのJusticeを迎えた"True Hardcore(Ⅱ)"で、自分達のハードコアの意味と思いを歌っています。現代におけるエモとポストハードコアの形を追求する洗練された作品。
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Militarie Gun / Life Under the Gun (LP)
¥4,000
SOLD OUT
Drug ChurchやRegional Justice Centerのメンバーにより結成されたLAのオルタナティヴバンドの2023年リリースの1stアルバム。リリースはLoma Vistaより。全体的に音数はシンプルになりつつも弱々しい印象は全く無い、洗練されたパワフルさと、何よりキャッチーさとポップネスが楽曲全面に出た、確実にこれまでから一つ先へ進化したサウンドとなっています。過去3作のEPで見せていた荒々しいポストハードコアからオルタナティヴ化していく流れを踏まえつつ、The Stone Rosesをどこか彷彿とするような清涼感のあるアプローチを上手く取り入れていたり、より奥深いバックグラウンドで磨き上げられています。ハードコアやパンクを通過してきたものにしか無い、なんとも言えないザラザラ感に刺激されつつ、やっていることは現行のUSメジャーのギターロック、オルタナティヴロック。これがめちゃくちゃ腑に落ちる塩梅で完成されています。これは個人的に現代においてのRival Schoolsなんじゃ無いかなと勝手に思っています。ハードコアを下地としながらもより多様でオーバーグラウンド化を恐れないアグレッシヴな姿勢は現行のTurnstyle、One Step Closerにも通じるところがあります。UKでいうとHigh Visがやっていることであり、このハードコアのオルタナ化の流れはめちゃくちゃ面白いと思います。現代のUSにおいてのエモの一つの形なのかも。
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Praise / All In a Dream (LP)
¥3,600
SOLD OUT
ボルチモアのメロディックハードコアバンドが2022年にリリースした3rdアルバム。 ハードコア通過後の音楽として個人的に頭に浮かぶのがGorilla BiscuitsのWalterが始めたRival Schools、前身が108のTexas is the Reason。2010年代に入ってからのそれは間違いなくPraiseだったように思えます。ハードコア、特にユースクルーの怒りやスポーティな熱さをメロディアスなサウンドに変換していて2016年リリースの2ndアルバム"Leave It All Behind"はハードコア通過後のサウンドとしては別格かつ完成系だと思います。もうやることはないと思っていた中での2022年まさかの新作でしたが期待を余裕で飛び越える傑作。強さや速さから解放されたような柔らかさと渋み、彩りに溢れたメロディは今こそがベストだと教えてくれているようです。特にギターのフレーズのアイデアと響き方は本当に究極的です。EmbraceやRites of Springの要素は多分に感じつつも80'sのD.Cのものとは違う、20年代最新にしてぶっちぎりのレボリューションサマー。ボーカルNortonが大きな影響を公言している7secondsにも通じるポジティブなエネルギーと優しさに満ち満ちたサウンドとリリック。ハードコアから感じとったことをあらためてどう表現するか、という彼らの回答が詰まった作品です。
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Orchid / ST (LP)
¥3,600
SOLD OUT
マサチューセッツ・アマーストの激情ハードコアバンドの2001年にEbullition Recordsよりリリースしていた彼らの3rdアルバムにしてラスト作のリイシュー盤。ゲートフォールドジャケ、カラー盤。カオスとエモーショナルの暴力と言えるような90年代の激情ハードコアを包括しつつも最先端のサウンド。圧倒的な勢いで目まぐるしく変わる曲展開と不意に涙腺を刺激してくるようなサッドすぎるギターのメロディ、マッチョさとは対極の凶暴で悲痛な叫びが作り出すダークな世界観。終始カオティックなようで計算された繊細さ、そこから作り出される狂気的な暴力性はエモバイオレンスと言う名がまさに相応しいと思います。mohinderやreversal of manをより多様なアプローチとアイデアで再構築したような、ラスト作にして完全に激情ハードコアのスタイルを物凄いレベルで確立した作品になっています。
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fugazi / In on the Kill Taker (LP)
¥2,700
D.Cのポストハードコアバンドが1993年にDischordよりリリースした3rdアルバムの2009年Silver Sonyaによるリマスター盤。Ted NiceleyとDon Zientaraによるプロデュースのもと、Inner Ear Studiosにてレコーディングという磐石の布陣で製作された今作。全編に渡りどこか殺伐としていて、鋭く切り付けられるような攻撃性を覚える作品。それぞれの楽器の一音一音、歌われる言葉とメロディの一つ一つがあまりに生々しくエネルギーに満ち溢れ躍動しています。 アルバムの幕を開ける"Facet Squared"のビリビリに張り詰めた緊張感、そこから一気に“Public Witness Program”へ雪崩こみ燃え上がる爽快感、"Smallpox Champion"の狂った不穏さからの一気に視界が開けていく恍惚感、 "Sweet and Low"の乾いたムーディさ、ポストハードコアという言葉をはみだし、書き換えていくアイデアと実験性が1曲毎に詰め込まれています。ロラパルーザ、MTV、オルタナ・グランジブーム、広義のパンクという音楽が商業主義に飲み込まれていく90年代の中で提示された、リアルでオルタナティヴなパンクミュージックと言えるのではないでしょうか。
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Q AND NOT U / NO KILL NO BEEP BEEP (LP)
¥2,700
SOLD OUT
D.Cのポストハードコアバンドが2000年にDISCHORDよりリリースした1stアルバム。FUGAZIでもなし得なかった新たなサウンド、2000年代のディスコードの新たな一歩を踏み出した作品。FUGAZIの緊張感と先進性を持ちながらも、彼らは「踊れる」という部分を突き抜けさせた。ポストハードコアの枠組みの中で存在しながらもその中で変幻自在に変化し、目の覚めるようなリフの数々とリズムで新たな発見をくれる彼らの音楽性はThe Dismemberment PlanなどにはじまるDeSotoリリースの革新性の高いバンドとも共鳴していたように感じます。アメリカンハードコアがポストパンク、ハードロック、シカゴ音響などを飲み込んできた中でR&B的と言えるダンサブルさを明確に押し出した、ポストハードコアをネクストステージに持っていた内容。
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JAWBOX / Novelty (LP)
¥2,700
名匠J.Robbins率いるD.Cポストハードコアバンドが1992年にリリースした2ndアルバムを2014年にリイシュー。アメリカンハードコアを通過し、実験性とグルーヴ、ヒリつく緊張感と美しいメロディが爆発的なエモーショナルを生み出す。リリースから30年近くたった今聴き直しても全く色褪せないとがりまくったカッコ良さです。大枠としてのロックという音楽性で捉えた時に当時のメジャーシーンでも十分通用するクオリティであり、彼等はハードコアを通してロックを再構築したのかなとも思います。後進のバンドへの影響は計り知れない"ポストハードコア"の歴史に残り続ける作品。
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Faith / Subject to Change plus First Demo (LP)
¥2,500
D.Cのハードコアバンドが1983年にDischordよりリリースした8曲入りの2nd EPに1st Demoの11曲を加えた編集盤。1981年、Minor Threat、The Untouchablesなどが立て続けに活動を終えたD.Cの初めの休眠期間とも言える頃に、元The UntouchabelsのAlec MacKayeをボーカルに元The Untouchables、元S.O.Aのメンバーを中心に結成されました。 Ian MacKayeプロデュースで制作された2nd EPはDemoやVoidとのスプリットの時と比べ、セカンドギタリストとして元The UntouchablesのEddie Janneyが加わったことで、よりメロディアスな表現を獲得したものとなっています。パワフルな従来のハードコアのリズムとキャッチーなコード進行、ところどころに添えられる彩のあるメロディがこれまで以上にハードコアをエモーショナルに響かせるサウンドであり、Alecのボーカルはただ怒り叫ぶだけではなく叙情的かつ明瞭であり、私たちに突き刺さります。Faithの音楽はしばしば怒りに勝る。One Last WishやRites of Springへの布石となるレヴォリューションサマー前夜。VoidとのスプリットアルバムにおいてしばしばVoid側ばかりがフューチャーされますが、Faithはずっと最高であり続けていることを証明してるように思います。
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EMBRACE / st (LP)
¥2,800
イアンマッケイがMINOR THREAT解散後に始めたポストハードコアバンドが1987年にリリースした唯一のアルバム。 従来のアメリカンハードコアのスピードやパワーをエモーショナルという形に変換したサウンド。たった1年間の活動期間にも関わらず、 実験性と革新性に溢れた、まさに新しいハードコアの形を作り上げました。コード進行や感情を表現したフレーズ、イアンのMINOR THREATの時とはまた違ったボーカルはエネルギッシュさとどこか哀愁のようなものも感じます。 RITES OF SPRING、DAG NASTY等と共にレボリューションサマーをつくりあげていった宝石のような全14曲。
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DAG NASTY / Wig Out At Denkos (LP)
¥2,700
元MINOR THREATのブライアンベイカーを中心としたDCハードコアバンドによる1987年リリースの2ndアルバム。ボーカルは1stのDave SmalleyからPeter Cortnerへ交代。アメリカンハードコアをエモーショナルなものへと昇華させた彼ら。ハードロック影響下と思われるブライアンのギターはメロディアスでありどこか哀愁が滲む。ピーターのボーカルもエネルギッシュに歌いあげており、ギター・ボーカルともにメロディアスな部分とサッドな部分がより強調されています。後続のバンドへの影響も計り知れない、ハードコアのエネルギーとロックの色彩が絶妙に混じり合った作品。
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DAG NASTY / Can I Say (LP)
¥2,800
MINOR THREATのブライアンベイカーが結成したハードコアバンドが1986年にリリースした1stアルバム。プロデュースはイアンマッケイ。 アメリカンハードコアからD.Cのバンドがよりエモーショナルを追求していく中でMINOR THREATがSalada Daysで見せていたハードコアをよりエモーショナルに聴かせるアプローチの片鱗がこのバンドによって完全に花開いたように思えます。彼ら・ブライアンベイカーが持ち込んだのはハードロックの要素であり、多彩なアプローチのギターとボーカルDave(DYS、ALL)のメロディアスさは従来のハードコアになかった領域での感情表現を可能にしています。レボリューションサマーの流れを決定付けた作品であり、後続のディスコードサウンドから現代に続くメロディックの系譜まで与えた影響はあまりに大きいと言えます。
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I RECOVER / Until I Wake Again (LP)
¥3,500
SOLD OUT
ドイツ・ケルンにて元PUNCHのDanを中心に結成されたポストハードコアバンドが初の12インチの形態でリリースした7曲入りの音源。The Breathのメンバー運営によるHi Liberate Records、DAIEI SPRAYのメンバー運営のSakanade RecordsをはじめExtinction Burst、i.corrupt Recordsなど7レーベルによる共同リリースとなっています。ハードでアグレッシヴ、メロディアスでドラマチックな、紛れもなく80年代半ばからのレボリューションサマーの衝動とスタイルを持ったサウンド。One Last WishやEmbraceなども彷彿とさせる、レイジングな要素をボーカルも演奏もより叙情的に表現したエモーショナルなハードコアとなっています。その叙情性はある時はポジティヴなエネルギーを感じさせ、ある時は悲しくシリアスに響きます。また、ハードコア、エモ、メロディックを思わせる展開やフレーズが詰まった楽曲になっているので聴いていて1作品としての華やかさもあります。PRAISEやSEGWEIといったリヴァイバルバンドの遺伝子も感じ、当時のレボリューションサマーのムーヴメントのような爆発的なものではないですが、現代でなお力強く燃え続けるサウンドなんだなと思わされます。
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