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Q AND NOT U / NO KILL NO BEEP BEEP (LP)
¥2,700
D.Cのポストハードコアバンドが2000年にDISCHORDよりリリースした1stアルバム。FUGAZIでもなし得なかった新たなサウンド、2000年代のディスコードの新たな一歩を踏み出した作品。FUGAZIの緊張感と先進性を持ちながらも、彼らは「踊れる」という部分を突き抜けさせた。ポストハードコアの枠組みの中で存在しながらもその中で変幻自在に変化し、目の覚めるようなリフの数々とリズムで新たな発見をくれる彼らの音楽性はThe Dismemberment PlanなどにはじまるDeSotoリリースの革新性の高いバンドとも共鳴していたように感じます。アメリカンハードコアがポストパンク、ハードロック、シカゴ音響などを飲み込んできた中でR&B的と言えるダンサブルさを明確に押し出した、ポストハードコアをネクストステージに持っていた内容。
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Q and Not U / Different Damage (LP)
¥2,700
D.Cのポストハードコアバンドが2002年にDischordよりリリースした2ndアルバム。プロデューサーにIan MacKayeとDon Zientaraを迎えInner Ear Recordsにて制作された。前作よりMatthew Borlikの脱退からトリオ編成になった今作。ドラムJohn Davisの複雑かつ軽快なリズムを土台とし、シンプルで彩り豊かなメロディが絡み合うことで生まれた異質なポップネス。前作では2本のギターの重なりで作られるカタルシスがありましたが、今作はギターが一本になり、その代わりに生まれた余白でクリアで繊細で、時に力強いアンサンブルが作り出されており、各楽器の音の広がりが増したものになっています。Dischordのポストハードコアの部分は残しながらもより多様なアイデアとアプローチがリズムでもフレーズでも曲構成でも随所に光っており今尚驚かされます。ダンサブルで実験的、ポストパンク、R&B、シカゴ音響派などを飲み込んだように思わせる、Dischordの中でも異質なサウンド。それはリズミカルという方向に振り切ったfugaziの別の未来であったようにも感じさせられます。
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JAWBOX / For Your Own Special Sweetheart (LP)
¥2,700
D.Cのポストハードコアバンドが1994年にAtlantic Recordsよりリリースした3rdアルバムのDesotoとDischordによるリイシュー盤。ヒリヒリとした緊張感と実験性を内包し、圧倒的なダイナミズムでそれを放出したサウンド。J.ROBBINS節に磨きをかけつつDISCHORDの先を見据えた作品であり、 複雑さ、難解さを持ちながらも圧倒的に聴きやすいというロック、グランジ、ギターロック、エモと、どのジャンルへでもリーチできるように作り上げられた凄まじい作品となっています。ポップミュージックには決して収まらない音楽性でありつつも、アンダーグラウンドで構築してきたサウンドをこれまでにないスケールで表現している遊びとしてのメジャー。今作よりドラムを叩くZacharyのタイトでエネルギッシュなリズムとボトムを這うようなKimのベースが合わさり、抜けが良いクリアなサウンドでありながら、どこか湿り気のあるへばり付くような質感。その上で不穏にメロディアスに絡み合う2本のギターが作りだす巨大なウネリ、それががもたらす高揚感に酔いしれてしまいます。当時シングルでリリースされた"Savory"に収録されていたBig Boysのカヴァー“Sound On Sound“を含む3曲をボーナストラックとして収録しています。
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JAWBOX / Novelty (LP)
¥2,700
名匠J.Robbins率いるD.Cポストハードコアバンドが1992年にリリースした2ndアルバムを2014年にリイシュー。アメリカンハードコアを通過し、実験性とグルーヴ、ヒリつく緊張感と美しいメロディが爆発的なエモーショナルを生み出す。リリースから30年近くたった今聴き直しても全く色褪せないとがりまくったカッコ良さです。大枠としてのロックという音楽性で捉えた時に当時のメジャーシーンでも十分通用するクオリティであり、彼等はハードコアを通してロックを再構築したのかなとも思います。後進のバンドへの影響は計り知れない"ポストハードコア"の歴史に残り続ける作品。
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Faith / Subject to Change plus First Demo (LP)
¥2,500
D.Cのハードコアバンドが1983年にDischordよりリリースした8曲入りの2nd EPに1st Demoの11曲を加えた編集盤。1981年、Minor Threat、The Untouchablesなどが立て続けに活動を終えたD.Cの初めの休眠期間とも言える頃に、元The UntouchabelsのAlec MacKayeをボーカルに元The Untouchables、元S.O.Aのメンバーを中心に結成されました。 Ian MacKayeプロデュースで制作された2nd EPはDemoやVoidとのスプリットの時と比べ、セカンドギタリストとして元The UntouchablesのEddie Janneyが加わったことで、よりメロディアスな表現を獲得したものとなっています。パワフルな従来のハードコアのリズムとキャッチーなコード進行、ところどころに添えられる彩のあるメロディがこれまで以上にハードコアをエモーショナルに響かせるサウンドであり、Alecのボーカルはただ怒り叫ぶだけではなく叙情的かつ明瞭であり、私たちに突き刺さります。Faithの音楽はしばしば怒りに勝る。One Last WishやRites of Springへの布石となるレヴォリューションサマー前夜。VoidとのスプリットアルバムにおいてしばしばVoid側ばかりがフューチャーされますが、Faithはずっと最高であり続けていることを証明してるように思います。
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ONE LAST WISH / 1986 (LP)
¥2,700
SOLD OUT
レボリューションサマーの到達点にして原点。D.Cの若者達による蒼くきらめく永遠のマスターピース。RITES OF SPRINGとEMBRACEのメンバーによって1986年に半年間だけ活動したエモーショナルハードコアバンドが残した唯一の単独音源。プロデュースしたイアンマッケイとメンバーそれぞれが経験したバンドから蓄積されたハードコアをいかにエモーショナルに進化させるか、ということが完全に結実した内容です。メロディアスなギターとベース(ベースラインは"Loss Like a Seed"、"Shadow"など聴くと特に重要な役割を果たしていると思います)、多彩なドラム展開。DAGNASTYがハードロック要素を大きく取り入れたのに対して、彼らはポストパンクを始めより様々な音楽的バックグラウンドを持ってこのサウンドを作り上げているように思えます。メランコリックな「エモ」ではない熱いエモーショナルがほとばしる
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EMBRACE / st (LP)
¥2,800
イアンマッケイがMINOR THREAT解散後に始めたポストハードコアバンドが1987年にリリースした唯一のアルバム。 従来のアメリカンハードコアのスピードやパワーをエモーショナルという形に変換したサウンド。たった1年間の活動期間にも関わらず、 実験性と革新性に溢れた、まさに新しいハードコアの形を作り上げました。コード進行や感情を表現したフレーズ、イアンのMINOR THREATの時とはまた違ったボーカルはエネルギッシュさとどこか哀愁のようなものも感じます。 RITES OF SPRING、DAG NASTY等と共にレボリューションサマーをつくりあげていった宝石のような全14曲。
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DAG NASTY / Wig Out At Denkos (LP)
¥2,700
元MINOR THREATのブライアンベイカーを中心としたDCハードコアバンドによる1987年リリースの2ndアルバム。ボーカルは1stのDave SmalleyからPeter Cortnerへ交代。アメリカンハードコアをエモーショナルなものへと昇華させた彼ら。ハードロック影響下と思われるブライアンのギターはメロディアスでありどこか哀愁が滲む。ピーターのボーカルもエネルギッシュに歌いあげており、ギター・ボーカルともにメロディアスな部分とサッドな部分がより強調されています。後続のバンドへの影響も計り知れない、ハードコアのエネルギーとロックの色彩が絶妙に混じり合った作品。
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DAG NASTY / Can I Say (LP)
¥2,800
MINOR THREATのブライアンベイカーが結成したハードコアバンドが1986年にリリースした1stアルバム。プロデュースはイアンマッケイ。 アメリカンハードコアからD.Cのバンドがよりエモーショナルを追求していく中でMINOR THREATがSalada Daysで見せていたハードコアをよりエモーショナルに聴かせるアプローチの片鱗がこのバンドによって完全に花開いたように思えます。彼ら・ブライアンベイカーが持ち込んだのはハードロックの要素であり、多彩なアプローチのギターとボーカルDave(DYS、ALL)のメロディアスさは従来のハードコアになかった領域での感情表現を可能にしています。レボリューションサマーの流れを決定付けた作品であり、後続のディスコードサウンドから現代に続くメロディックの系譜まで与えた影響はあまりに大きいと言えます。
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Three / Dark Days Coming (CD)
¥1,800
元Gray Matterのメンバーと元Minor ThreatのJeff Nelsonにより結成されたパンクバンドが1989年、彼らの解散後にDischordよりリリースした1stアルバムであり唯一の音源。LP未収録のデモ・トラック10曲がボーナス収録された全20曲入りとなっています。ハードコア通過後のエモーショナルなハードコア、それをもっと極端にメロディアスな方向に推し進めた結果、レボリューションサマーを突き抜けてメロディックと言えるサウンドへ。歌ごころたっぷりのボーカルGeoff Turnerの歌はパンクの影響を感じさせる荒々しさとポジティブさに溢れていながらもどこか悲しく切ない。それが堪らなく私達の心を揺さぶる極上のメロディとなっています。楽曲のアレンジセンスも抜群でカントリーやブルースのニュアンスをいち早く取り込んでいるように思えます。永遠の名曲"Swann Street"をはじめ、このアルバムのトータルの最大瞬間風速でHusker Duをも凌駕してしまった偉大な一枚。
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nui / 本性,Dance Studio (7")
¥1,650
ミミレミミ、I WANT CITY、雨雪、ミワサチコトリオ、tepPohseenなどに参加するメンバーを擁する福岡アンダーグラウンドミュージックから湧き出てきた、福岡を拠点に活動するインストゥルメンタルバンドの初の7“。リリースは福岡のHAIBOKU RECORDSより。妖しくムーディでありながらもチルには決してならない不意打ちのように現れるわずかな不穏さ、パンク・ハードコアを通過したメンバーだからこそ作り出されるオルタナティヴなサウンド。今作はラッパーを客演に迎え、呂布カルマ、PRIMAL from MSCが参加。
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WELLSAID / LURKING (CD)
¥2,000
来日経験もある香港のエモ・ポストハードコアバンドが2022年にメンバーのレーベルであるAirehead Recordよりリリースした2ndアルバム。ひんやりとした質感とサッドなメロディを感情たっぷりにバーストさせる。サウンドとしてはトウィンクルに振りすぎないリフやアルペジオで構成されており、ポストロック、激情ハードコアとオルタナティブロックの影響もかなり受けていそうな塩梅。青さ全面推しでは決してなく、エモリヴァイバル文脈として捉えるとかなり渋いです。日本のオルタナティブロックとの親和性も高そうです。アルバムが進むごとにミッドウェストエモからゆっくりと音楽性のグラデーションが変化していき、中盤以降はDeSoto Recordsのバンドを彷彿とさせるポストハードコア・オルタナティブサウンドに。"Lights Out"実験性と緊張感、エモーショナルが詰め込まれた名曲です。Chinese FootballからThe Dismemberment Planまで共鳴する作品となっていると思います。
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Feverchild / Feverchild EP (7”)
¥2,000
SOLD OUT
ベルギーのエモバンドが2021年にカセットでリリースしていた5曲入りEPを7“でリリース。Sunday Drive Recordsより。1曲目の"stargazing"を聴いた瞬間にここ10年の90's emoの亡霊を一蹴してしまうような目の覚めるサウンドに驚かされます。厚い曇り空を思わせる不穏な曲と重く気怠げなリズム隊、その中できらめく美しい繊細なギター、心臓をわしづかみにされるような悲しみを叫ぶボーカル。これをずっと待っていたと思わせてくれる完璧なバランスではないでしょうか。 メンバーがそれぞれメタリックハードコアバンドに所属しているためか、重厚な彼らのグルーヴはby a threadやShiftなどハードコアの影響が色濃いエモバンドを想起させます。またメンバーも影響を公言しているSunny Day Real Estateの血が脈々と流れているのを感じる内容であり、エモがリアルタイムであった90年代から20年以上経った現在に、リユニオンではないバンドがSDRE直系ともいえるサウンドをつくりだしているのは感動を覚えます。継続的にテープやデジタルで新曲をリリースし続けているのでアルバムなんかもそろそろあるのかなと期待しつつ、インディロック要素やシューゲーザー要素は全くいらないので今のまま突き進んで欲しいと勝手に願っています。
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FILMLETS / The Paths That Never Crossed Again (CD)
¥1,000
SOLD OUT
埼玉のエモバンドが2021年にリリースした2nd EP。メランコリックな美しいメロディが放出され、今尚私たちを離してくれないあの頃のエモへ連れて行かれる全5曲。90年代後半から2000年代前半のDeep Elmサウンド、“エモ日記”で言えばチャプター1からチャプター5にかけての質感を見事に現在に蘇らせているように感じます。1st EPと比べてメロディにより重きをおいている印象で、美麗なアルペジオ、重心を少し後ろに感じるギターのミュート、ジワジワとしたミドルテンポのリズム、伸びやかで艶のあるボーカルが強調されています。この手のエモで個人的にかなり大事な要素だと思っている、突き抜けすぎないキャッチーさ、オーバーグラウンド3歩手前に存在しているような美学があり、意図的にそれをやっているということに非常に痺れました。ギターロックからの引き算やどこか足りないという感覚が エモにとって重要だなと再確認させられます。CamberやBilly、The Appleseed Castなどといったバンドが想起させられる、やはりCRANK!ではなくDeep Elmなサウンドであり、これが今後どうなっていくのか非常に楽しみな作品となっています。
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BENTON FALLS / FIGHTING STARLIGHT (LP)
¥4,000
SOLD OUT
カリフォルニアのエモバンドが2001年にDeep ElmからCDでリリースしていた1stアルバムをThirty Something Recordsが2023年にレコードでリイシュー。2009年のCount Your Lucky Stars以来の2回目のリイシューとなります。 Deep Elmの名コンピ、エモ日記への収録やEthel MeserveのRyan Gerberがギタリストとして在籍していたということでも知る人は多いかと思います。不穏さと美しさが入り混じりつつ、独特のグルーヴが生み出す儚いエモーショナル。センスとしか言えないRyanのギターワークはサッドで幻想的で、彼らの楽曲の雰囲気を完全に決定づけていると感じさせます。また、特徴としてはエモというジャンルとしては珍しくもあるボーカルの高い歌唱力。個人的にBenton FallsかChamberlainのボーカルか位素晴らしいです。この力強く透明感のあるボーカルが他のエモバンドとまた一線を画しています。2000年以降のより美エモ的な要素が強くなっていくDeep Elmのバンドをはじめとするエモとそれまでの90'sエモの両方の要素を持っていて、その過渡期を象徴する内容になっているのではないでしょうか。Temporary Contemporary時のCross My Heartにも通じます。版権の問題かエモのリイシューもののジャケが完全に一新されるとあちゃーと思うことが個人的に多いのですが、このジャケはまだそんなに悪くないのではないでしょうか。間違いなくエモのヒストリーに名前を刻む一枚。
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POP UNKNOWN / IF ARSENIC FAILS, TRY ALGEBRA (LP)
¥3,500
1997年から2002年まで活動したテキサス・オースティンのエモバンドが1999年にDeep Elmからリリースしていた1stアルバムをドイツThirty Something Recordsがリイシュー。2022年リリース。物悲しさと美しさをあくまでキャッチーに消化したこれぞ90's Deep Elmなエモ。シンプルながらもサッドで艶やかさのあるアルペジオにジリジリと引き込まれ、クライマックスでドライブがかかる曲展開はドラマチックで神聖さすら感じさせられます。個人的に"Hanging on a Thread"はギターのフィードバックすら叙情的に響いて堪らないです。90'sのエモバンドの知名度としてはやや隠れ気味かもですが、楽曲の完成度もかなり高くテンション的にはオーバーグラウンドの2歩手前、Jimmy Eat Worldなどのバンドに続きえたクオリティだと思います。サウンドとしてはMineral、The Appleseed Castに近い印象で、同時代のこの辺りのバンドは全編を通してギターが全面に出ているのはエモとギターロックの親和性、というかハードコアやパンクサイドからのギターロックへの回答なんだと思わせてくれます。Mineral、Imbroco、Fourth Grade Nothingのメンバーが在籍していたというのもエモファンとしてはくすぐられるポイントとなっています。
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CAMBER / BEAUTIFUL CHARADE (LP)
¥3,700
SOLD OUT
ニューヨークのエモバンドが1997年にDeep ElmからCDでリリースしていた1stアルバムをドイツのThirty Something Recordsが2023年にレコードでリイシュー。やや重厚でダイナミズムを感じる楽曲に、胸を締めつけるという言葉がぴったりのボーカルのメロディが広がっていく。こうして作り出されるドラマチック性こそがエモだと再認識させてくれるお手本のようなサウンド。初っ端の"Hollowed-Out"から膝から崩れ落ちそうになるほどの衝撃です。Deep Elmの名コンピであるエモ日記の記念すべき第一弾に収録されていることで彼らのことを知っている人も多いかと思いますが、縦ノリのリズムとディストーションギター、ハードコアの影響を感じさせるピリピリした緊張感のある展開も見え隠れする音楽性はShiftやBy a ThreadなどのRevelationエモやFar Apartなんかにも近い印象です。勿論、ギターをかなり鳴かせつつ多彩なフレーズが散りばめられている部分とネチっこくも伸びやかなボーカルは"The Power of Failing"の時のMineralなどに通じていて、この時代のDeep Elmのバンドらしいなと思います。エモとしても、ポストハードコアからギターロックとしても聴ける極上の内容に仕上がっています。
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SUNDAY'S BEST / WHERE YOU ARE NOW (LP)
¥3,400
SOLD OUT
カリフォルニア・ロサンゼルスのエモバンドが1998年にCRANK!からCDでリリースしていた7曲入りEPをドイツThirty Something Recordsが2023年にレコードでリイシュー。流れ出る一つ一つのメロディがどこまでも甘く悲しいエモ。ゆったりとしたアルペジオが紡ぎ出すムーディでメランコリックな楽曲はエモというジャンルの中でも唯一無二なスタイルを作り上げていると思います。後にPolyvinylから出るアルバムはポップネスに振り切ったエモを聴かせてくれるのですが、この時期は良い意味で未完成でピッタリと詰まっていない余白の部分がエモの醍醐味に溢れたものになっています。CRANK!ということでChristie Front DriveとBoys Lifeのスプリットぽさもありつつも、そこはもう少しオーバーグラウンド寄りのサウンド。この優しいポップネスは彼らの絶対的な魅力であり、Death Cab For Cutieみたいな形になる未来もあったのかなと想像させるものが既に今作の根底に流れているのを感じる内容になっています。
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SUNDAY´S BEST / THE CALIFORNIAN (LP)
¥3,200
カリフォルニア・ロサンゼルスのエモバンドが2002年にPolyvinyl RecordよりCDでリリースしていた2ndアルバムをドイツThirty Something Recordsが2019年にレコードでリイシュー。成熟したエモのその先を垣間見せてくれるサウンド。1stアルバムで確立したポップでキャッチーなエモを更に洗練し、押し進めた内容になっています。派手な展開やフレーズは削ぎ落とし、やや落ち着きを見せつつもそこから溢れ出てくるメロディは彼らのポップセンスに裏打ちされた珠玉の数々。エモからよりインディーロックやギターポップに近づいたサウンドとなっており、より純粋に良いメロディが際立っているように感じます。オーバーグランド的サウンドへの接近は2000年代前半のエモバンドの全体の流れとしてあったように思えますが、その中でも群を抜いて垢抜けているというか洒落ているなと思います。この柔らかなムーディな雰囲気は唯一無二です。90'sのその後という意味でもThe Jealous SoundやLast Days of Aprilなどにも親和性を感じます。エモが元々の文脈から逸脱していく過程で産み落とされた名作と言えるのではないでしょうか。
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PRISONNIER DU TEMPS / COMME UN LION EN CAGE (LP)
¥3,000
SOLD OUT
Syndrome 81のベーシスト、Jacky Cardiouによるニューバンド。フランス・ナントのフレンチOi!レーベルUVPR(UNE VIE POUR RIEN)がその1stアルバムを2022年にリリース。パワフルなパンクロック、Oi!/Punkをベースとし、そこにメランコリックなメロディが絡むことにより熱い哀愁が滲み出すサウンドに仕上がっています。Syndrome 81のようにポストパンクの影響は大きくはなさそうで、骨太でパワフルでありながらもコテコテのOi!/Punkともまた違う質感です。Negative ApproachやBlitz、Wipersあたりのバンドが想起される泥臭いエネルギーとメロディアスさが融合した音楽性。"Sans espoir”は一瞬UKメロディックの世界に連れて行かれしまうようなめちゃくちゃキラーなメロディが入っていたりブレストの他のバンドと差別化しつつきちんと良いものを作り上げているなと感じます。現行フレンチパンクを追っているのであれば迷わず手に取って欲しい作品。
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CRAN / Natë (LP)
¥3,000
SOLD OUT
2020年のEPやParis On Oi!への参加で注目されていたフランス・パリのパンクバンドが2023年、満を持しての1stアルバムをリリース。EPやコンピと同じくフランス・ナントのフレンチOi!レーベルUVPR(UNE VIE POUR RIEN)より。伝統的なパンクやOi!をよりシリアスなメロディアスさで彩ったパンクであり、サッドかつキャッチーなフックを持った世界観を作り上げています。鋭くエッジの効いたギターと土台を支えながら奥行きのあるフレーズが飛び交うベース、突き刺すようなボーカルとシンプルにひたすらリズムを刻むドラムが作りだすビートはどこか寒々としていながらも、そこから始まる物語をドラマチックにイメージさせるよう響きます。時にダークに、時にパッション全開の彼らの楽曲はブレストのモダンパンクとはまた少し角度の違う泣きの燻銀と言えるサウンドになっています。
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TCHERNOBYL / FACE AU MUR (7")
¥1,500
フランス・パリのOi!/Punkバンドがリリースした2023年の2nd EP。フランス・ナントのフレンチOi!レーベルUVPR(UNE VIE POUR RIEN)より。クラシックな80'sのOi!/Punkスタイルのサウンドは屈強という言葉がピッタリで汗がスピーカーから飛んでくるように熱い、フレンチパンクの新世代。骨太な楽曲に独特のメランコリックなメロディを奏でるギターが合わさることにより彼ら独自のスタイルを作り上げており、全体として聴いた時のなんとも言えないサッドさが残るのが味わい深いです。タフなだけではないパンクスのBlood,Sweat and Tearがしっかり入っている1枚になっています。
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Fracture / Purgatoire (7")
¥1,500
フランス・パリのスリーピースパンクバンドの2023年の2nd EP。フランス・ナントのフレンチOi!レーベルUVPR(UNE VIE POUR RIEN)よりリリース。キレの良いギターと共に軽快にかっ飛ばしつつ、そのキャッチーさで全てを薙ぎ倒していくような痛快なパンクサウンド。例によらず伝統的なOi!/Punkの影響が大元の音楽性にありそうですがそれを軽々と彼らのスタイルに変換するフレッシュなエネルギーを感じます。R.A.Sのキャッチーでトラディショナルなスタイルと同じパリの現行パンクのRÉCIDIVEにも通じるような爽快感が溢れ出る全3曲。
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DAIEI SPRAY / Can't Truss It (7")
¥1,320
SOLD OUT
東京で長らく活動を続けるエモーショナルハードコアバンドが前作のアルバムをリリースしてから3年ぶりにリリースしたNew EP。リリースは前アルバムのリリースと同じ東京のDEBAUCH MOODから。タイトに沸々と燃えるようなエネルギーが凝縮されたエモーショナルなハードコア。より強靭でしなやかなパワフルさを手に入れたリズム隊とブライアンベイカーからボブ・モールドまでフラッシュバックする彩りある匠のギター、日本詩・英詞を独特に織り交ぜつつ熱く歌うボーカル。レボリューションサマー、ディスコードのバンド達がやっていたハードコアをエモーショナルな方向へと進化させるということに対する現代・彼らからの答えを表現しているように思えます。同時にPRAISEやREMISSION、SEGWEIなんかの10年代前後のリヴァイバルの流れもいまだにどこか感じるサウンドで全く古くならない音楽性だなと改めて思わされました。コーラスのクレジットにSEGWEIの方の名前もありぶち上がります。熱量は落とさずに円熟味もグッと増した到達点であり新境地と言える全4曲を収録です。
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